「ことばが遅い…」このままで大丈夫?

「まだ話さない…」「言葉が少ない…」不安を感じたら
子どもの「ことばが遅い」と感じたとき、不安に感じる保護者は多いです。
「周りの子はもう話しているのに…」「このまま話せなかったらどうしよう…」
でも、言葉の発達には個人差があり、単純に「遅い=問題」とは限りません。
信州大学の本田秀夫教授の研究(2023年)によれば、幼稚園や保育園に通う子どものうち、約16%が「発達に課題がある」とされています。
つまり、「ことばが遅い」と感じる子どもは決して珍しくなく、多くの保護者が同じ悩みを抱えています。
言葉が遅れる理由はひとつではない
ことばの遅れにはさまざまな原因があります。
1. 聴覚の問題
- 耳が聞こえにくいと、周囲の言葉を十分に聞き取れず、発語が遅れることがあります。
- 反応が鈍い、呼びかけに気づかない場合は、耳鼻科での聴力検査も検討しましょう。
2. 発達特性(ASD、ADHDなど)
- 自閉スペクトラム症(ASD)の子どもは、言葉よりも視覚や動作でコミュニケーションを取ろうとすることが多いです。
- 言葉を使わず指差しやジェスチャーで伝えようとすることもあります。
3. 家庭環境の影響
- 大人が話しかける機会が少ない場合、言葉のインプットが不足し、発語も遅れることがあります。
- 兄弟が多い家庭では、「お兄ちゃんが代わりに言ってくれる」など、子ども自身が話す機会が減ることも。
しかし、大切なのは「言葉が遅れている=問題」と決めつけないことです。
「この子に合った関わり方」を知り、家庭でできるサポートを実践してみましょう。
今日からできる!ことばを育てる3つの方法
1. 繰り返しの「安心感」を与える
短くてわかりやすい言葉を繰り返し伝えましょう。
- 「おいしいね」「楽しいね」「おはよう」「バイバイ」
- 笑顔で、目を見て伝えることで、子どもも安心して言葉を覚えられます。
2. 絵本や歌で「楽しい言葉体験」を
絵本は視覚と言葉を同時に楽しめるため、ことばの発達に効果的です。
- 指差しを使いながら「これはリンゴだね」「ワンちゃんだね」
- 歌は繰り返しのリズムで、自然と言葉が記憶に残ります。
3. 反応をしっかり受け止める
子どもが声を出したり、指差ししたら「そうだね」「教えてくれてありがとう」と返しましょう。
- 言葉が出なくても、「伝わった」という感覚が大切です。
- 無理に「もっと話して」と促さず、「その気持ちを受け止める」ことが優先です。
ことばを増やすために「NGな関わり方」も知っておこう
1. 「言ってごらん」「ほら、言って!」は逆効果
子どもはプレッシャーを感じ、逆に言葉を使わなくなることがあります。
2. スマホやタブレットばかり見せない
映像は一方的に情報を伝えるため、子ども自身が「言葉を出す」機会が減ってしまいます。
3. 「黙っていなさい!」はNG
静かにさせようとするあまり、子どもが「話すこと」を嫌がるようになってしまうことも。
発達支援につなげるという選択も
もし「何かおかしい」と感じたら、早めに相談することも大切です。
言語聴覚士(ST)や作業療法士(OT)による発達支援は、子どもに合ったアプローチで言葉を育てます。
- 市区町村の発達支援センター
- 療育センター(児童発達支援)
- 小児科・耳鼻科での検診
「相談すること=診断されること」ではありません。
「今の子どもに必要な支援を知るための相談」です。
まとめ:「ことばが遅い」は親子で育てるチャンス
ことばは「教える」ものではなく、「一緒に育てる」ものです。
大切なのは、無理に話させようとすることではなく、子どもが「話したい!」と思える環境を作ること。
- たくさん話しかけて、たくさん聞いてあげる
- 小さな声にも反応して、受け止める
- 笑顔で「楽しい会話」を積み重ねる
あなたの声かけが、子どもの言葉の芽を育てます。