「発達障害かもしれない」と思ったとき、家族やまわりにどう伝える?

「伝えるべき?」「理解してもらえる?」と迷ったときに読んでほしいこと
- 子どもが他の子とちょっと違う気がする
- 発達相談で「グレーゾーン」と言われた
- 療育を始めたけど、誰にも話していない
——そんなとき、心の中にあるのが
「このこと、誰にどう伝えればいいのだろう?」という悩みではないでしょうか。
親しい人だからこそ言いづらい。
誤解されたくないし、否定されたくない。
だからこそ、多くの保護者がこの“伝える”という壁にぶつかります。
「言わなければ…」と自分を追い込まなくていい
まず大前提としてお伝えしたいのは、
子どものことを、誰にいつどのように伝えるかは、保護者の自由であり、タイミングを選んでよいということです。
- すぐに伝える必要はありません
- 迷っているなら、まずは家庭の中で十分に受け止め、整えてからでも遅くありません
- 「言わなきゃ」「ちゃんと説明しなきゃ」と、焦らなくてもいいのです
それでも「伝えた方がよい」3つのケース
とはいえ、周囲に伝えておくことで、子どもへの理解やサポートがスムーズになることもあります。特に、以下のようなケースでは、適切に共有することが“子どもの安心”につながります。
1. 園や学校に通っている
- 「集団生活で困りやすい場面がある」
- 「支援が必要だと感じている」
→園の先生と情報を共有することで、必要な配慮(指示の工夫・関わり方)が受けられます。
2. 祖父母や親戚と関わる機会が多い
- 「言うことを聞かない」と叱られる
- 「甘やかしすぎ」と言われる
→発達特性を理解してもらうことで、子どもへの無理解な接し方を避けられます。
3. 支援や療育を受け始めた
- 病院や療育機関に通っている
- 通所が生活リズムに影響する
→その背景や目的を説明しておくと、周囲のサポートを得やすくなります。
伝えるときの「不安あるある」
✅「偏見を持たれないかな…」
→残念ながら、発達障害に対する誤解や偏見がゼロとは言えません。
でも、それは「知らないから」生まれるもの。伝え方次第で印象は大きく変わります。
✅「否定されたらどうしよう…」
→「そんなの気にしすぎ」「どの子もそんなもんだよ」
と返されると、つらいですよね。でもそれは、否定ではなく“混乱や戸惑い”の表現かもしれません。
あなた自身が子どもを理解し始めたように、周囲も“理解する時間”が必要なのです。
伝えるときの5つのポイント
1. ラベリングよりも「困っていること」を伝える
いきなり「発達障害です」「ASDと診断されました」など“言葉のラベル”から入ると、相手は構えてしまいます。
✅ まずはこんなふうに:
- 「○○(子ども)は今、人とのやり取りがちょっと苦手で…」
- 「こだわりが強くて、順番が変わると混乱することがあるの」
- 「初めての場所で落ち着かなくなることがあってね」
→“特性=日常の困りごと”として伝えると、相手もイメージしやすく、具体的な理解につながります。
2. 親の気持ちも添える
ただ状況だけを伝えるより、あなたの「思い」を添えることで、相手の心にも届きやすくなります。
✅ 例:
- 「正直、最初はすごく戸惑ったの。でも、少しずつわかってきた」
- 「この子が生きやすくなるように、私たちも学んでいるところなの」
- 「できれば、温かく見守ってくれたらうれしいな」
“理解してほしい”という気持ちをそのまま伝えることは、決して弱さではなく、勇気です。
3. 「お願いごと」は具体的に
ただ「見守ってほしい」だけだと、相手はどうすればよいかわからず、戸惑ってしまうことも。
✅ 例:
- 「急に抱きしめられるのが苦手だから、声をかけてから触ってほしい」
- 「同じ質問を繰り返すかもしれないけど、安心したくて聞いてるだけなの」
- 「遊びに行くときは、事前に予定を伝えてもらえると助かる」
→具体的な“配慮のヒント”があれば、周囲も自然に寄り添う行動がとりやすくなります。
4. 伝える相手は「信頼できる人から」でもOK
全部を一度に伝える必要はありません。
- まずは夫婦間でしっかり話す
- 次に、関わりの深い祖父母や担任の先生などへ
信頼できる人との小さな共有から始めることで、保護者自身の心の負担も軽くなります。
5. 「伝えること=守ること」と思って
伝えることで、
- 「あの子、変わってるね」ではなく「そういう特性があるんだ」と理解される
- 先生や大人が対応しやすくなり、本人がトラブルを回避できる
- 子ども自身も「受け入れてもらえた」と感じる場面が増える
これは、子どもを守るための“環境づくり”なのです。
それでも「どうしても言いづらい…」と感じたら
それは、あなたが子どものことを真剣に考えている証拠です。
悩み、迷い、揺れ動く気持ちがあるのは自然なこと。
そんなときは、
- 療育のスタッフや発達相談員
- 保育士・担任の先生
- 同じ経験をした保護者の会
など、“共感してくれる人”と話すことから始めてみてください。
1人で抱え込む必要はありません。
まとめ:「伝える」は“理解の入り口”になる
「発達障害かもしれない」と思ったとき、
それを家族やまわりにどう伝えるかは、誰もが悩むことです。
でも、それは決して“弱さ”ではなく、
子どもが安心して育つ社会をつくるための、大切な一歩です。
- ラベルではなく、困っていることを伝える
- 親の気持ちも正直に伝える
- 配慮してほしいことを具体的に伝える
- 焦らず、信頼できる相手から少しずつ共有していく
「わかってもらえた」その安心感が、保護者にも、子どもにも、支えになります。
あなたの声が、誰かの理解につながり、
子どもが過ごしやすくなる未来を一緒に育んでいきましょう。