「待てない…順番が守れない…」——“時を待つ力”を子どもと育む方法

こんにちは。
育児中、「順番を待てない」「すぐ飛び出す」「割り込んでしまう」など、子どもの“待てない”行動に困ることはありませんか?
他のお友だちと遊ぶとき、保育園での活動、行列や公共での場面でも、「順番を守れない」と子どもが怒られる様子を見て、保護者の皆さんはハラハラしたり、心配になったりしますよね。
でも、実は「待てる力」は発達しながら育つ能力であり、焦らず支えてあげることで少しずつ身につくものなのです。今日は、その背景と支援方法を7つの視点で丁寧にご紹介します。
(1)「待つって、なに?」
順番を待つには、次の5つの力が必要です:
- 言葉でルールを理解する力
- 注意を向け続ける力(持続的注意)
- 衝動を抑える力(抑制力)
- 状況を予測する力
- 不安・寂しさを我慢する力
これらは一気に育つものではなく、発達のタイミングが関係しています。子どもは少しずつ、この「待つ力」を自分なりに試しながら伸ばしている最中なのです。
(2)待てない子の背景にある発達的“クセ”
◎ 衝動性が強い
ADHD傾向では「行動すると気持ちが落ち着く」タイプもいて、結果として待つのが苦手なことが多いです。
◎ 言葉で整理が苦手
「今は並んで」「このあとはおやつだよ」と言われても、その順序が頭の中で整理できないことがあります。
◎ 視覚情報がないとわからない
順番待ちで行列が見えない、番号が見えない場合、いつ自分の番か判断できずに不安になります。
(3)待つ力を育てるために家庭でできる工夫5つ
① 明確なルールを“見える化”する
絵カードやボードを使って、「順番1・順番2…」と可視化すると、子どもにとってわかりやすくなります。
② タイムや音の力を活用する
「あと5秒」「ピーと鳴ったら自分の番ね」と時間を区切ると、本人も安心して待てます。
③ 小さな“待つ”練習から始める
初めは数秒、次は10秒、20秒…と徐々に待つ時間を延ばしていくことで、成功体験を積んでいけます。
④ “代替行動”を一緒に用意する
順番を待つ間に「お絵描き」「指遊び」「歌う」など、気持ちを落ち着けられる行動をセットしておくとよいです。
(4)保育園や公共の場でのサポート方法
- 行動に先回りして、「今からAちゃんの番だよ」と声かけをする
- ペアレントのように、“お手本”となる姿を見せる
- 順番待ちリーダーに任せ、「◯◯くんが先だよ」と促す役割は子どもに向くこともあります
(5)“待てた時”の褒め方ポイント
表情と具体的な言葉でほめると良い結果につながります:
- 「すごいね、最後まで待てたんだね」
- 「◯秒も上手に待てたね!」
- 「私、とっても嬉しいよ!」
このように、感情に焦点を当てて共有する褒め方が、子どもの自信につながります。
(6)「待てない子」って、実は強みもあります
- とても行動力がある
- 好奇心や意欲が高い
- 先手を打つ「予測力」がある
これらは大人社会でも大切な資質です。少し育てれば素晴らしい“主体性”へと昇華する可能性があります。
(7)焦らないで、親も自分を支えることが大切
- 子どもの行動にイライラしても、「発達の途中」と考えることで余裕が生まれます
- 一度立ち止まり、深呼吸して子どもの〝挑戦中〟の姿を受けとめてあげてください
- 必要なら、発達支援窓口や園との連携支援などを検討することも大切です
最後に:「“待てる力”は、育てる力」
「うちの子、待てないんです…」というお悩みは、たくさんの保護者から聞こえてきます。けれど、それは“問題行動”ではなく、“発達の過程”なのです。
順番が守れない、すぐに動いてしまう——そんな子どもたちは、「感じたことをすぐに表現できる力」「行動に移すスピード」があるとも言えます。
焦らずに、ほんの数秒の「待てた!」を積み重ねること。
“できた”経験を丁寧に育てていくこと。
それが、未来の「落ち着いて対応できる自分」へとつながっていきます。
子どもは、今、育っている最中です。
大人の関わり方ひとつで、その「待つ力」は確実に育ちます。
どうか温かく見守りながら、子ども自身の「育つ力」を信じてあげてください。