「公共の場で大声を出す…」——外出が苦手な子への寄り添い方と支援策

こんにちは。
お出かけのときに、子どもが大声を出してしまったり、不安そうに固まってしまったりすると、周囲の視線や苦情が気になり、保護者の心がざわつくこともありますよね。
「また大声出されるんじゃないか」
「迷惑かけたくないのに…」
そんな気持ちを抱える方がとても多いです。
けれど、公共の場で声が大きくなってしまう子どもの行動には、“感覚過敏”“興奮しやすさ”“不安”などの発達的背景がかくれていることもあります。
今回は、子どもの状況を正しく理解し、安心して外出できる関わり方のヒントを7つの視点でまとめました。
① 背景を知る:なぜ公共の場で声が大きくなるのか
● 感覚刺激への過敏反応
人のざわめきやスピーカー音、照明のチラつきにストレスを感じ、「強い声」で自己主張すると気持ちを制御できないことがあります。
● 興奮が抑えられない衝動性
大人にとっては些細な刺激でも、子どもには“楽しい・驚き・驚愕”などの感情が瞬時に高まり、声が勝手に大きく出てしまうことがあります。
● 不安の自己表現
「人が多すぎる」「迷子になりそうで怖い」といった想いが大声という形に出てしまう場合もあります。「助けて」と心の中で叫んでいるのかもしれません。
② 怒るよりまず“安全な環境確認”を
公共の場で子どもが大声を出すと、どうしても親は「静かにしなさい!」と言いたくなりますが、それが状況を悪化させることもあります。
まずは…
✅ 「今、何が不快だったかな?」と環境を見直す
✅ 「音・光・人・温度・間隔」などのストレス要素がないか確認
✅ 子どもが安心できるスペースを探す(休憩所、トイレ、階段の踊り場など)
こうした“環境の安全化”から始めると、子どもの気持ちが落ち着きやすくなります。
③ “予告”と“代替行動”が安心につながる
公共の場では、子どもが急に声を出してしまう瞬間を減らす工夫が重要です。
● 見通しを伝える
「あと1分で〇〇駅につくよ」「混んでいるけど、お母さんがそばにいるから大丈夫だよ」という事前の説明が安心につながります。
● 代替行動をセットしておく
手を握る、小さなぬいぐるみを持たせる、写真を見せながら語りかけるなど、他の行動を予め用意しておくと、「声を出さずに安心する手段」ができます。
④ 小さくても“成功体験”を積む
「今日はバスの座席で静かにできたね!」
「エレベーターで声を出さずに自分で降りられたね!」
というように、ちょっとした“できた!”を見逃さずに具体的に褒めることで、子どもの中に“公共で静かにできる安心感”のベースが育ちます。
⑤ あえて“声を使うべき場”を設ける
公共の場で緊張する子ほど、「大きな声を出す=ダメなこと」と思い込んでしまうことがあります。
だからこそ…
- 広場や公園で「おーい!」と声を出す
- 自然の中で風に声をのせてみる
- お店で「ありがとうございました」と大きな声でお礼を言う
など、公共であえて声を使う場を褒めながら設けると、「大声=悪いこと」という思い込みから解放されます。
⑥ 親自身の“心の構え”を育てよう
公共の場ではどうしても周囲の目が気になりますが、実は「静かにしてほしい」「場にふさわしい子」であることを求めすぎると、親も子もストレスが増大します。
- 「できる範囲でがんばってくれたね」という視点
- 「〇〇くんらしさが出たね」と愛着を持つ視点
- 「次はこうしてみよう」と明るく棚上げする視点
こうした心の構えで余裕をもつことは、子どもにも“余白”を与える支援になります。
⑦ 必要に応じて“外部支援”も活用を
頻繁に公共の場で大声を出す場合は、
- 感覚統合の視点で環境調整を学べる療育
- ソーシャルスキルトレーニング
- 家族支援を含む子育て相談
を試してみるのも良い選択です。支援者と一緒にルール作りや環境適応法を学ぶことで、親も子どもも安心して“外出の力”を伸ばしていけます。
最後に:「大声が出るのは、SOSのサインかもしれない」
公共の場で大声を出すことは、「うるさいからダメ!」というだけではありません。
それは、
- 感覚のしんどさ → 大声という表現
- 不安や居場所のなさ → 助けての声
- 子ども自身の不器用な伝え方
という“心の声”でもあることを忘れないでください。
● 安心できる環境を探し
● 見通しと代替行動を用意し
● 小さな成功を一緒に喜び
● 声を使う喜びも引き出し
● 必要なら支援も頼り
これらを積み重ねることで、子どもは少しずつ「公共に出るのが怖い場所」ではなく、「安心して行ける場所」へと変わっていきます。
どうか焦らず、子どもの“声”というメッセージに耳を澄ませながら、一歩ずつ歩んでいきましょう。