「“こっそり隠す・ウソをつく”行動、どう受け止めればいい?」

こんにちは。
日々の子育ての中で、こんな場面に出会ったことはありませんか?
- お菓子をこっそり食べて、ゴミを隠している
- 壊したおもちゃを「知らない」と言い張る
- トイレに行っていないのに「行った」と言う
- 怒られそうな時ほど「やってない」と主張する
子どもがウソをついたり、こっそりごまかそうとする姿を見ると、「正直に言ってくれたらいいのに」「こんな小さいうちからウソをつくなんて…」と心配になったり、怒りが湧いたりすることもあると思います。
でも、実はこの“ウソ”には、子どもなりの理由や背景があり、発達上とても大切な意味があるのです。
今回は、子どもの「ウソ」「隠す」行動の捉え方と、保護者としてどう関わるとよいのかについてお伝えします。
第1章 子どもが「ウソをつく」って、どういうこと?
まず大前提として、子どもの“ウソ”は、悪意や策略ではないことがほとんどです。
子どもがウソをつく背景には、以下のような目的や気持ちがあります。
✅ 子どもがウソをつくときの主な理由
- 怒られるのが怖い(自己防衛)
- こうだったらよかったのに、という願望(空想)
- 事実を整理する力が未熟(記憶と出来事の混同)
- “相手にどう思われるか”を意識し始めた(社会的意識の芽生え)
例えば、「片づけた?」と聞かれて「うん」と答えたけど、実は忘れていた…。
これは、“片づけた”という願望や、“今は怒られたくない”という気持ちから出る言葉であって、意図的な“ごまかし”ではないことも多いのです。
第2章 発達段階とともに育つ「ウソ」の意味
「ウソ」は、社会的な関係の中で自分を守ったり、相手の気持ちを考えたりする能力が育ってくる中で、自然にあらわれてくるものです。
🌱 2〜3歳ごろ:
→「あれ?言ったことと違うな…」という“事実と想像の混同”が出てくる時期。
🌱 4〜5歳ごろ:
→ “ばれる・ばれない”の感覚が育ち、意図的にごまかそうとするウソが見られます。
この頃のウソは、「相手の気持ちを読もうとする力(心の理論)」の発達の表れでもあります。
第3章 叱る?許す?ウソにどう対応すればいい?
✅ NG対応:ウソを責め続ける/暴く/問い詰める
- 「なんでウソついたの?」
- 「正直に言いなさい!」
- 「○○したの見てたよ!隠してもムダ!」
このような言い方は、子どもが“防衛的になるだけ”で、ウソをやめることにはつながりません。
むしろ、信頼関係が崩れ、「どうせ怒られるから言わない」と“かたくなに隠す”子になってしまうこともあります。
✅ OK対応:まずは気持ちを受け止める
✅ 例)
- 「怒られると思ったんだね」
- 「困ったな〜って思ったのかな?」
- 「本当のこと、言うのはドキドキするよね」
→ ウソをやめさせる前に、“ウソをついた気持ち”に寄り添うことがとても大切です。
✅ 次に、“安心して正直になれる関係”をつくる
- 「今はうまくできなかったけど、ちゃんと話してくれてうれしいよ」
- 「ウソより、教えてくれたことの方がうれしいよ」
- 「困ったときは、どうしたらいいか一緒に考えよう」
→ ウソをつくことを否定するのではなく、「正直になっても大丈夫」という安全な関係性を積み重ねることが大切です。
第4章 ウソを防ぐために、できる工夫
(1)ウソをつかなくてもすむ選択肢を用意する
✅ 例)
「片づけた?」→「まだだったら一緒にやろうか?」
→ 責められない前提で声をかけることで、ウソをつかずに言えるようになります。
(2)「正直に話してくれたこと」をしっかり受け止める
✅ 例)
「自分で言ってくれて、えらかったね」
→ 結果よりも“勇気を出して話したこと”を認めてあげることが大切です。
(3)できなかったことも“共有できる空気”をつくる
→ ミスや失敗をオープンに話せる家庭の雰囲気は、ウソをつく必要のない安心感につながります。
第5章 “困ったウソ”が続くときは?
以下のような場合は、発達的な特性や不安傾向が背景にあるかもしれません。
- ウソの頻度が高く、日常生活に支障がある
- 叱ってもウソを重ねる
- 空想と現実の区別がつきにくい
- 強い不安がベースにある(完璧主義、自己否定)
→ 発達相談窓口や療育機関、小児科などでご相談いただくと、お子さんに合った対応のヒントが得られます。
最後に:「ウソ」は“こころの成長のサイン”でもある
「こっそり隠す」「ウソをつく」
その行動の奥には、「怒られたくない」「こうだったらいいな」「バレたくない」という、子どもなりの感情の揺れや葛藤がかくれています。
それは、他人を意識する力、言葉の操作を使う力、自分を守ろうとする心が育ちつつある証でもあるのです。
ウソを完全になくそうとするよりも、
「ウソをつかなくても、わかってもらえる」「困った時は一緒に考えてくれる」
そんな安心できる土台をつくっていくことが、
結果的に“正直に話せる子ども”を育てていくことにつながります。
焦らず、比べず、
その子なりの“心の育ち”を信じて、寄り添っていきましょう。