“すぐあきらめる”子が“やってみよう”と思える関わり方

こんにちは。
お子さんとの日常で、こんな場面に心当たりはありませんか?
- パズルや積み木でうまくいかないとすぐ「もうやらない!」
- 自転車の練習で転んだあと「もう無理」「やらない」
- 新しいことに挑戦する前から「できない」と決めつけて避けてしまう
- 失敗したくないから、チャレンジする前に諦めてしまう
「もうちょっと頑張ってほしいな」
「失敗しても大丈夫って思ってくれたら…」
そう願う保護者の方も多いと思います。
ですが、「あきらめが早い」ように見えるその行動の裏には、発達的な理由や心理的な背景があることもあるのです。
今回は、すぐあきらめてしまう子の気持ちに寄り添いながら、家庭でできるサポートのヒントをご紹介します。
第1章 “あきらめが早い”のはなぜ?
子どもがすぐにやめてしまったり、「できない」と言って取り組もうとしないのは、単なる“やる気の問題”ではありません。
その背景には、次のようなことが隠れていることがあります。
(1)失敗が“怖い・恥ずかしい”
→ 失敗したときに「怒られる」「笑われる」「ガッカリされる」と感じると、それが心のブレーキになります。
- 「できなかった=自分はダメ」と結びつけてしまう
- 人から評価されることに敏感
- 自分に対して完璧を求めてしまう子に多く見られます
(2)自己評価が低く、「どうせできない」と思っている
→ 小さな失敗が積み重なると、「ぼくにはできない」「やってもムダ」と感じてしまうようになります。
- 周囲と比べて自信をなくしている
- 成功体験より、できなかった記憶が強く残っている
(3)“途中で踏んばる”力(実行機能)が弱い
→ 発達的な特性(ASD、ADHDなど)により、「途中で困ったときにどうしたらいいか」がわからなくて投げ出してしまうこともあります。
- 作業の見通しが持てない
- 試行錯誤が苦手
- 感情が高ぶると行動を止められない(衝動性)
第2章 あきらめが早い子へのNG対応とは?
つい言ってしまいがちな言葉の中には、子どもの心にプレッシャーや不安を与えてしまうものもあります。
❌ NGな関わり方
- 「なんでできないの?」
- 「やる前からあきらめないで!」
- 「そんなことじゃ何にもできないよ」
- 「○○ちゃんはできてるよ?」
これらは、子どもにとって「責められた」「ダメ出しされた」と感じる言葉。
さらに自己肯定感を下げ、「やっぱりやらない方がいい」と思わせてしまうリスクがあります。
第3章 “やってみよう”の気持ちを育てる関わり方
それでは、家庭ではどんな関わりが効果的なのでしょうか?
(1)小さく分けて「できた!」を増やす
→ 一気にやらせようとせず、**“スモールステップ”**にして達成感を積み重ねます。
✅ 例:
- 「1個だけ積めたね、すごい!」
- 「1行だけ書いてみようか」
- 「じゃあ最初の1分だけ一緒にやってみよう」
→ 自分のペースで成功体験を得ることで、「やってみるかも」の気持ちが芽生えます。
(2)“できた”以外のところを褒める
→ 結果だけでなく、“がんばろうとした気持ち”“試そうとした勇気”を認めることで、子どもはチャレンジする力を育てていきます。
✅ 例:
- 「やってみようと思ったの、えらかったね」
- 「昨日より、ちょっと長く頑張れたね」
- 「自分でやってみようとしてたね、すごいよ」
(3)「失敗しても大丈夫」と伝える習慣を
→ 子どもにとっては、“失敗=終わり”になりがちです。だからこそ、「失敗=学び」や「やり直せる」という経験を重ねていくことが大切です。
✅ 例:
- 「うまくいかなくても、またやればいいんだよ」
- 「失敗したっていいよ。ママもたくさん失敗するよ」
- 「失敗したって、大事なチャレンジだったよ」
(4)「やらされ感」より「選べる感」
→ 自分で「やってみよう」「選びたい」と思える方が意欲は高まります。
✅ 例:
- 「どっちからやってみる?」
- 「手伝ってほしい?自分でやってみたい?」
- 「5分だけやって、あとは休もうか」
→ コントロールを渡すことで、自分で動こうとする気持ちが育ちます。
第4章 こんな時は専門的な支援も
- 何をしても強い拒否が続く
- 家庭でも園でもチャレンジを避ける
- 「できない」と思い込みが強く、活動が著しく制限されている
- 挑戦が怖くて極端に不安になる様子が見られる
→ ASD、ADHD、強い不安傾向など、発達的な背景が関係している可能性があります。
一度、発達支援センターや療育機関、小児科などで相談してみましょう。
最後に:「やらない」ではなく「やれない」のかもしれない
子どもがすぐあきらめてしまうと、「もっと頑張ってよ」と思ってしまいがちですが、
その行動の裏には、
- 失敗への不安
- 自信のなさ
- 「うまくできない自分」を見せたくない思い
などがかくれていることがあります。
「がんばれない」のではなく、
「どうがんばったらいいか、わからない」だけなのかもしれません。
だからこそ、
- “できる喜び”を少しずつ増やすこと
- “やってみようかな”と思える関わりを積み重ねること
- 結果よりも“チャレンジする姿”を見守ること
それが、子どもたちの「やってみよう」の芽を育てていく力になります。
焦らず、少しずつ。
一歩ずつでも、“前に進もうとする気持ち”を信じて支えていきましょう。