”自分らしく生きる”ってなんだろう?〜ちゃんみなと、いまの療育の話〜

『No No Girls』で、ちゃんみなを知って『この子、めっちゃいい!』と思いはじめた私。
曲もそうだけど、歌詞も、スタイルも、生き方も。
どれも「ちゃんみな自身の背景」から逃げていない感じがする。
きれいにまとめようとしていないし、
世間に合わせて削ぎ落としてもいない。
むしろ、
「これが私だけど、何か?」
と、そのまま差し出している感じ。
正直、私みたいないい歳した人間が「いいな」と思うくらいなんだから、
若い子たちに支持されるのは当たり前だよな、と思います。
取り繕っていない。
強がりも、弱さも、コンプレックスも含めて“自分”。
それがちゃんと評価される時代になってきているのが、すごくいいなと思うんです。
「こうあるべき」から外れたものが、評価される時代
少し前までの日本って、
・空気を読む
・出しゃばらない
・目立たない
・みんなと同じ
そういうものが「正解」とされやすい社会でした。
でも今は、ちゃんみなみたいに
・背景を隠さない
・コンプレックスも武器にする
・「普通」から外れていることを否定しない
そういう人が、ちゃんと評価されている。
これは音楽の話だけじゃなくて、
社会全体の価値観が、少しずつ変わってきているサインだと思っています。
最近の療育・発達支援界隈の変化
療育の世界でも、同じような変化が起きています。
少し前までは、
「できないことを、できるようにする」
「集団に合わせられるようにする」
これが、支援の中心でした。
でも最近は、
・なぜできないのか
・その子は何が得意なのか
・無理に合わせる必要があるのか
そういう問いが、現場でも増えてきています。
「矯正」から「理解」へ。
「平均」に近づける支援から、「特性を活かす支援」へ。
これは、発達支援にとって、かなり大きな転換点です。
「自分らしく生きる」って、実はめちゃくちゃ難しい
ただ、「自分らしく生きる」って、簡単そうに聞こえるけど、実はかなり難しい。
なぜなら、自分らしさって、
だいたい“周りと違うところ”に出るから。
・落ち着きがない
・空気が読めない
・こだわりが強い
・感覚が過敏
発達特性と呼ばれるものの多くは、
社会の「標準」からはみ出した部分として見られがちです。
だから子どもたちは、
「そのままでいいよ」
と言われる前に、
「直さなきゃ」
「頑張らなきゃ」
を覚えてしまう。
お正月に聞いた、親の言葉
今年のお正月、久しぶりに両親とゆっくり話をしました。
その中で、ふとこんなことを言われたんです。
「あなたはすごく凸凹だったけどね、
全部できなくていいから、
一点豪華主義でいいと思ってたよ」
正直、ちょっと驚きました。
そんなふうに見てたんだ、って。
全部平均的にできなくても、
何かひとつ光るものがあればいい。
それって、今の療育で大事にしたい考え方と、すごく重なるなと思ったんです。
ちゃんみなと、療育の共通点
ちゃんみなの表現が響く理由って、
「私はこう生きてきた」
「これが私のリアル」
を、ちゃんと出しているからだと思います。
それって、療育で本当はやりたいことと、すごく近い。
エコルドに通っている子どもたちにも、
「あなたはあなたのままでいい」
「得意な形で社会とつながればいい」
って、伝えたい。
もちろん、放っておくわけじゃない。
必要なサポートはする。
苦手な部分は一緒に考える。
でも、
“あなたを別の誰かに変える”ための支援はしたくない。
きれいごとで終わらせたくない理由
最近、発達障害や療育に関するニュースを見ると、
「インクルーシブ教育」
「合理的配慮」
「多様性」
という言葉がよく出てきます。
言葉としては、とてもきれい。
でも現場では、
・人手不足
・理解不足
・制度と現実のズレ
正直、課題だらけです。
だからこそ、
「自分らしく生きよう」
を、きれいごとで終わらせたくない。
ちゃんみなが、自分の背景やしんどさも含めて表現しているように、
療育も、現実から目をそらさずに続けていく必要があると思っています。
子どもたちに伝えたいこと
エコルドに通う子どもたちには、
誰かの真似をして生きてほしいわけじゃない。
「これが自分」
って言える大人になってほしい。
うまくいかない時があっても、
失敗しても、
遠回りしても、
「それでも自分は自分だ」
と思える力。
療育って本当は、
“社会に合わせる練習”じゃなくて、
“自分で自分を肯定できる土台をつくること”
なんじゃないかなと思っています。
おわりに
音楽の話から始まったけど、
結局これは、療育の話であり、生き方の話です。
自分の背景をなかったことにしない。
人と違う部分を、全部否定しない。
必要なサポートを受けながら、自分の形で生きていく。
それが、これからの社会で一番大事な力なんじゃないかと思っています。
ちゃんみなを聴きながら、
エコルドの子どもたちの顔を思い浮かべて、
そんなことを考えた最近でした。