子どもの不器用さは成長の過程?それとも発達の課題?

こんにちは!「うちの子、何度教えてもお箸がうまく使えない…」「ボタンをとめるのにすごく時間がかかる」「ボールを投げても全然まっすぐ飛ばない」など、お子さんの「不器用さ」が気になったことはありませんか?
「個性の範囲かな?」と思うこともあれば、「もしかして何か問題があるのでは…?」と心配になることもあるかもしれません。
実は、子どもの不器用さには成長の過程でよく見られるものと、発達に関する課題が背景にあるものがあります。今回は、不器用さの種類や見極め方、そしてサポート方法について詳しく解説します!
そもそも「不器用さ」とは?
「不器用」と一言で言っても、その内容はさまざまです。例えば…
✔ 手先の不器用さ:
- お箸やスプーンをうまく使えない
- 細かい作業(折り紙、ボタンとめ、ひも結び)が苦手
✔ 身体の使い方の不器用さ(協調運動の問題):
- ボールを投げても思った方向に飛ばない
- ジャンプやケンケンがうまくできない
- 自転車や縄跳びがなかなかできるようにならない
✔ 日常動作でのぎこちなさ:
- 服を着るのに時間がかかる
- よく転んだり、ぶつかったりする
- 机の上の物をよく落とす
このような不器用さは、子どもの成長の中で見られることもあれば、発達性協調運動障害(DCD)などの発達の課題が影響している場合もあります。
成長の過程か、それとも発達の課題か?
「ただの成長の過程なのか?」「何か支援が必要なのか?」を見極めるためには、次の3つの視点が重要です。
① 年齢に応じた発達段階と比較する
子どもには、年齢ごとにできるようになる運動や手先のスキルがあります。
例えば、以下のような発達の目安があります。
年齢 | 運動能力 | 手先の器用さ |
---|---|---|
3歳 | 片足で数秒立てる、ジャンプができる | クレヨンで丸を描ける、ボタンの大きい服をとめられる |
4歳 | スキップのまねができる、三輪車に乗れる | お箸で簡単なものをつかめる、はさみでまっすぐ切れる |
5歳 | 縄跳びを跳べる、ボールを投げてキャッチできる | ボタンをとめ外しできる、ひもを結べる |
6歳 | 片足でケンケンできる、自転車に乗れる | ひらがなを丁寧に書ける、折り紙で簡単な形を作れる |
もし、年齢に対して明らかに苦手な動作が多い場合は、発達の課題が関係している可能性もあります。
② 苦手なことが生活の中でどのくらい影響しているか?
✔ ちょっと時間がかかるだけ → 成長の過程である可能性が高い
✔ 何度やってもできるようにならず、日常生活に影響が出る → 発達の課題があるかも?
例えば、「ボタンをとめるのが遅い」という場合でも、時間がかかるだけで最終的にはできるなら問題なし。でも、「いくら練習してもボタンがとめられず、服を着ることに大きなストレスを感じている」なら、サポートが必要かもしれません。
③ 不器用さ以外の特徴があるか?
発達性協調運動障害(DCD)などの発達の課題がある場合、不器用さだけでなく、他の特性が見られることがあります。
✔ よく転んだり、ぶつかったりする
✔ 道具の使い方が極端に苦手(はさみ、箸、鉛筆など)
✔ 動きがぎこちなく、運動全般が苦手
✔ 学習やコミュニケーションの困難さも併せて見られる
このような特徴が複数見られる場合は、専門的な評価を受けるのも一つの選択肢です。
不器用な子どもへのサポート方法
「不器用さが気になるけれど、どうやってサポートしたらいいの?」という方へ、すぐに実践できる方法をご紹介します。
① 手先の器用さを育む遊びを取り入れる
- はさみや折り紙、ひも通し、ブロック遊びを積極的に取り入れる
- 小さめのクレヨンや短い鉛筆を使い、指先の力を鍛える
② 運動の基礎となる動きを練習する
- バランスをとる遊び(平均台、片足立ち)
- キャッチボールや風船遊びで、目と手の協調運動を鍛える
③ 生活動作を簡単にする工夫をする
- 服のボタンが難しい場合は、マジックテープの服から練習
- スプーンやフォークを使うのが難しい場合は、太めの持ち手のものを使う
④ 「できた!」を増やす環境を作る
- 無理に「やらせる」のではなく、「できることを増やしていく」ことが大切
- 例えば、ボタンをとめるのが苦手なら、「今日は1つだけとめてみよう!」と段階をつける
おわりに
子どもの不器用さには、成長の過程で見られるものと、発達の課題が影響しているものの両方があります。
もし、「少し苦手そうだけど、工夫しながら頑張れている」なら、焦らず見守るのが大切です。でも、「明らかに年齢に合わないレベルで苦手」「日常生活に支障が出ている」と感じる場合は、専門家に相談するのも一つの方法です。
子どもが自信を持って「できる!」と感じられるように、家庭や学校でサポートしていきましょう!
保護者の方へのご案内
大阪府池田市の療育センターエコルドでは、お子さんの「不器用さ」に関する相談やサポートを行っています。お箸の使い方や運動の苦手さなど、日常生活で気になる点があれば、お気軽にご相談ください!