忘れ物が多いのはなぜ?子どもをサポートする工夫と習慣づくり

「また忘れ物しちゃった…」
「学校に持っていくはずのプリントを机の上に置きっぱなし!」
お子さんの忘れ物が多くて悩んでいる保護者の方も多いのではないでしょうか?
特に発達障害のあるお子さんや、注意力が散漫になりがちな子どもは、忘れ物をしやすい傾向があります。しかし、単なる「うっかり」だけでなく、脳の機能や環境の影響も関係していることをご存じでしょうか?
今回は、子どもの忘れ物の原因と、具体的な対策について詳しく解説します!
忘れ物が多い原因とは?
子どもが忘れ物をしやすい背景には、いくつかの理由があります。
① ワーキングメモリの負荷が大きい
ワーキングメモリ(作業記憶)は、「覚えておく」だけでなく、「覚えながら処理する」能力です。学校での指示や持ち物の管理は、ワーキングメモリに負荷がかかりやすい活動のひとつです。
✔ ワーキングメモリの負担が大きくなる例
- 先生が複数の指示を一度に伝える → 「全部覚えられない!」
- 朝の準備をしながら学校の持ち物を思い出す → 「ほかのことをしているうちに忘れる」
特に発達障害があるお子さんの場合、この記憶の負担がより大きくなりやすいです。
② 注意がそれやすい・気が散りやすい
「やらなきゃいけない」と思っていても、ほかのことに気を取られてしまい、忘れてしまうことがあります。
✔ 注意がそれやすい場面
- 朝、準備をしている途中でテレビやゲームに気を取られる
- 教室で片づけをしている最中に、友達と話し始める
こうした「気が散る環境」が、忘れ物を増やす要因になることもあります。
③ 習慣化されていない
持ち物の確認をする「ルーティン」が身についていないと、無意識に忘れやすくなります。
✔ 忘れやすい場面
- いつもと違うスケジュールの日 → 「持ち物の確認をしないまま家を出る」
- 連絡帳を書き忘れる → 「何を持っていくのか把握できていない」
習慣が身についていないと、忘れ物を防ぐのが難しくなります。
④ 物の管理が苦手
「ランドセルの中がぐちゃぐちゃ」「どこに何があるか分からない」など、物の管理が苦手な子どもは、持ち物を把握しづらくなります。
✔ 整理整頓が苦手な子の特徴
- プリントが机やカバンの中で迷子になる
- 筆箱の中が散らかっていて、鉛筆や消しゴムをよくなくす
このような場合、まずは整理整頓の習慣をつけることが大切です。
忘れ物を防ぐための対策(具体例を強化!)
忘れ物を減らすためには、仕組みを作ることが大切です!すぐに試せる具体的な対策をご紹介します。
① 視覚的なチェックリストを作る
✔ やり方
- 持ち物リストを作成して、玄関や机に貼る(文字やイラストを入れるとより分かりやすい)
- 「やることリスト」を作り、終わったらチェックする(チェックすることで達成感も得られる!)
- 色分けやシールを活用(例えば、学校の持ち物は赤、習い事は青のチェック欄を作る)
- スマホアプリを活用(リマインダー機能を使って、子どもに「持ち物チェック」を通知する)
② ランドセルの整理を習慣化する
✔ やり方
- 学校から帰ったら、ランドセルの中をすべて出す
- 持ち物を入れる「定位置」を決める
- 週に1回はランドセルの中を全部出して整理する
③ 「持ち物チェックタイム」を作る
✔ やり方
- 決まった時間にチェックする(朝食の後・寝る前など)
- 「言葉でチェック」する(親が質問し、子どもが口に出して確認)
- ゲーム感覚で楽しく!(「お弁当よし!水筒よし!」とリズムにのせて確認)
④ 「見える化」する環境をつくる
✔ やり方
- 玄関に「持ち物ボード」を設置する
- カバンの横に「今日の持ち物カゴ」を置く
- お道具袋やプリントを「見える場所」に置く
⑤ 忘れ物をしたときの「対策ノート」をつける
✔ やり方
- 「忘れ物日記」を作る(忘れたものと理由を記録し、対策を考える)
- 「どうすればよかった?」と一緒に振り返る
⑥ 家族で協力する
✔ やり方
- 親がリマインダー役になる(「今日は体操服の日だよ!」と声をかける)
- 兄弟姉妹と「持ち物チェック」を一緒にする
- 「忘れ物ゼロの日」を作り、成功したらご褒美をつける
おわりに
忘れ物を減らすためには、子ども自身の「努力」だけではなく、環境を整え、習慣化をサポートすることがとても大切です。
「また忘れちゃった…」と子どもが落ち込んだり、親がイライラしたりする前に、できる対策を一緒に考えてみましょう!
保護者の方へのご案内
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