発達障害児の学習支援:家庭と学校の連携でできること

「学校の授業についていけない…」
「宿題をやるのにすごく時間がかかる…」
「学校と家庭で支援の方向性が違って混乱している」
発達障害のある子どもにとって、学習のつまずきはよくある課題の一つです。しかし、学校だけ、または家庭だけの支援では限界があり、家庭と学校が連携することで、子どもがよりスムーズに学べる環境を作ることができます。
では、具体的に家庭と学校がどのように連携し、子どもをサポートできるのか?
今回は、発達障害児の学習支援における「家庭と学校の役割」と、効果的な連携の方法について詳しく解説します!
発達障害児の学習の特徴とつまずきやすいポイント
発達障害にはさまざまなタイプがあり、それぞれ学習の特性も異なります。
① ADHD(注意欠如・多動症)の場合
✔ 学習の困りごと
- 授業中に集中が続かない
- 板書を写している途中で気が散ってしまう
- 計算や読解でケアレスミスが多い
✔ 学校での支援のポイント
- 指示を短く明確に伝える
- 目標を細かく設定し、小さな成功体験を積ませる
- 休憩時間を適切に入れて集中を維持する
✔ 家庭での支援のポイント
- 宿題は短時間で区切りながら進める(タイマーを活用)
- 学習環境をシンプルにし、気が散るものを減らす
- 具体的なルールや流れを明確にする
② ASD(自閉症スペクトラム症)の場合
✔ 学習の困りごと
- 曖昧な指示やルールが理解しづらい
- 興味のあることに集中しすぎて、他の課題に取り組めない
- コミュニケーションが苦手で集団学習に馴染みにくい
✔ 学校での支援のポイント
- ルールや指示を具体的に示す(「静かにして」ではなく「声のボリュームを3にしよう」など)
- 予定表や視覚的スケジュールを使って見通しを持たせる
- 得意なことを活かして学習に取り組ませる
✔ 家庭での支援のポイント
- 学習の流れを可視化し、「やることリスト」を作る
- 突然の変更が苦手な場合、事前に「何をするのか」を説明する
- 興味のある分野を活用しながら学習を進める
③ LD(学習障害)の場合
✔ 学習の困りごと
- 読み書きが苦手で、教科書の内容を理解するのが難しい
- 計算の仕組みがうまくつかめない
- 視覚的・聴覚的な情報処理に偏りがあり、学習の進め方が合わない
✔ 学校での支援のポイント
- 読み上げソフトやルビ付きの教材を活用する
- 手順を分かりやすく示し、反復練習を取り入れる
- 書くことが苦手な場合は、タブレットや音声入力を活用する
✔ 家庭での支援のポイント
- 読むのが苦手な場合は、音読よりも「耳で聞く学習」を活用する(オーディオブックや読み上げアプリ)
- 計算が苦手なら、実際の物を使って視覚的に理解する(おはじき、ブロックなど)
- 学校で使用するサポートツールを家庭でも活用する
家庭と学校の連携でできること
① 連絡ノート・アプリを活用する
家庭と学校で支援の方向性がずれると、子どもが混乱してしまうことがあります。そのため、学校と家庭の情報共有はとても大切です。
✔ 連絡ノートやアプリの活用方法
- 先生と保護者が子どもの状態をこまめに共有する(「今日は落ち着いて学習できた」「宿題でつまずいた」など)
- 困ったことがあれば、すぐに学校側に相談する
- 学校での様子や家庭での取り組みを記録し、支援の方向性を統一する
② 学習環境を整える(家庭と学校で統一感を持たせる)
家庭と学校で「学習環境のギャップ」が大きいと、子どもが戸惑うことがあります。
✔ 統一するポイント
- 視覚的な支援を取り入れる(学校でスケジュールを使っているなら、家庭でも同じようにする)
- 宿題の進め方を統一する(例えば「10分ごとに休憩を入れる」など学校と同じ方法を家庭でも実践)
- 学習の進め方のコツを学校と相談する(タブレットの活用、音声入力の活用など)
③ 子ども自身が「学びやすい方法」を見つけるサポートをする
発達障害のある子どもは、「自分に合った学習スタイル」を見つけることが重要です。
✔ 学びやすい方法を一緒に探すポイント
- 「視覚型」→ 絵や図を活用して学ぶ(マインドマップやフローチャート)
- 「聴覚型」→ 音声学習(読み上げアプリや音読)
- 「体感型」→ 実際に手を動かしながら学ぶ(積み木で計算、紙を切り貼りして学ぶ)
学校と相談しながら、子どもにとってベストな学習法を見つけることが大切です!
おわりに
発達障害児の学習支援は、家庭と学校が連携することでより効果的になります。
学校だけ、家庭だけの取り組みではなく、お互いの役割を理解しながら支援していくことが大切です。
「学ぶことが楽しい!」と思える環境をつくるために、できることから取り組んでみませんか?
保護者の方へのご案内
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