謝られたのに許せない子どもの原因とサポート法

「お友達が謝ったのに、うちの子はずっと怒ってる…」
「『ごめんね』って言われても『許さない!』って言い張る…」
子ども同士のトラブルでは、「謝る」だけで気持ちがスッキリするわけではないことがあります。特に発達障害のあるお子さんや、感情のコントロールが苦手な子どもは、謝罪を受け入れることが難しい場合もあります。
では、「謝られたのに許せない」気持ちの背景には、どのような理由があるのでしょうか? また、親や周囲の大人はどのようにサポートできるのでしょうか?
今回は、謝罪を受け入れにくい子どもの心理と、スムーズに気持ちを整理するためのサポート方法について詳しく解説します!
なぜ子どもは「謝られても許せない」のか?
子どもが謝罪を受け入れられないのには、いくつかの理由があります。
① 「謝ったら終わり」では納得できない
✔ 特徴
- 「ごめんね」と言われても、「だから何?」と思ってしまう
- 相手が悪いことをしたのに、謝っただけで解決するのが納得できない
- 「もう二度としないでほしい」という気持ちが強い
→ 「ごめんね」だけではなく、どうすれば次に同じことが起こらないかを話し合うことが大切!
② 自分の気持ちをうまく整理できない
✔ 特徴
- 「謝られたから許さなきゃいけない」と思うけれど、気持ちがついてこない
- 頭では分かっていても、怒りや悲しさが消えない
- 「ごめんね」と言われると、余計に感情がこみ上げてくる
→ 感情が落ち着くまで時間をかけることが大切!
③ 相手が本当に悪かったのに、「すぐに許す」のが納得できない
✔ 特徴
- 「本当はすごく嫌だったのに、簡単に許したら負けた気がする」
- 「また同じことをされたらどうしよう」と不安になる
- 相手が「ごめんね」と言いながら笑っていたり、適当に謝っているように見える
→ 「許す=負け」ではないことを伝え、謝罪の本質を理解させることが大切!
④ 発達特性によるこだわりの強さ
✔ 特徴
- ルールや正義感が強く、「悪いことをしたら罰を受けるべき」と考えてしまう
- 「謝るだけで解決するのはおかしい!」と思ってしまう
- いつまでも怒りが続き、気持ちの切り替えが苦手
→ ルールにこだわりすぎず、「間違いを認めることが大事」だと学ぶ機会が必要!
謝罪を受け入れる力を育むサポート方法
子どもが「謝られても許せない」と感じるとき、大切なのは**「すぐに許さなくてもいいけれど、どうすれば気持ちを整理できるか」を学ぶこと**です。
では、具体的なサポート方法を見ていきましょう。
① 気持ちが落ち着く時間を作る
✔ やり方
- 「まだモヤモヤしてるよね」と、怒りや悲しみの気持ちを受け止める
- 「すぐに許さなくてもいいよ。気持ちが落ち着いたらお話ししよう」と伝える
- 無理に「もういいでしょ」と言わず、子どものペースで気持ちを整理する時間を与える
→ 感情が整理できるまで「時間」が必要な子もいる!焦らず待つことが大切。
② 「許す=負け」ではないことを伝える
✔ やり方
- 「許すことは、相手を応援することでもあるよ」と伝える
- 「〇〇くんがまた同じことをしないように、どうしたらいいかな?」と一緒に考える
- 「許すこと=仲直りすること」ではなく、「気持ちを整理すること」だと教える
→ 許しを強制せず、「どうやってこの問題を解決するか」を考える視点を持たせる!
③ 「ごめんね」だけではなく、次の行動を考えさせる
✔ やり方
- 「〇〇くんは謝ったけれど、次はどうすればいいかな?」と問いかける
- 「次に同じことが起きないようにするにはどうしたらいい?」と具体的な方法を一緒に考える
- 「〇〇くんがやってくれたら嬉しいことはある?」と、子ども自身に解決策を考えさせる
→ 「謝罪=解決」ではなく、「どう改善するか」に目を向けることが大切!
④ 自閉症スペクトラム(ASD)の子には、視覚的に学べる方法を取り入れる
✔ やり方
- 「謝られたらどうしたらいいか」を、イラストや写真を使って説明する
- 「こんなときはどうする?」と、ロールプレイで練習する
- 「『ごめんね』を言った後、どうするのがいい?」と、具体的な行動ルールを決める
→ 目で見て理解しやすい方法を取り入れることで、謝罪の流れを覚えやすくなる!
⑤ 許すことのメリットを体験する機会を作る
✔ やり方
- 「前に〇〇くんが謝ってくれて、いい気持ちになったことあったよね?」と振り返る
- 「許したことで仲良くなれた経験」を思い出させる
- 逆に、自分が謝って受け入れてもらえたときの気持ちを考えさせる
→ 「許すことが関係をよくする」という実感を持たせることが大切!
おわりに
子どもが「謝られたのに許せない」と感じるのは、気持ちの整理が難しかったり、「許す」ことの意味をまだ理解できていないからかもしれません。
すぐに「許しなさい」と言うのではなく、「どうすればこの気持ちを整理できるか?」を一緒に考えていくことが大切です。
✔ 時間をかけて気持ちを整理する
✔ 「許す=負け」ではなく、「前に進むこと」と伝える
✔ 謝罪だけでなく、次の行動について考える機会を作る
こうしたサポートを続けることで、子どもが少しずつ「謝罪を受け入れる力」を育んでいくことができます。
保護者の方へのご案内
大阪府池田市の療育センターエコルドでは、子どもの社会性や感情コントロールを育むプログラムを提供しています。お子さんの対人関係や謝罪に関するお悩みがある方は、お気軽にご相談ください!