幼児期から始める!シュタイナー教育の感覚教育とその効果

「五感を育てるってどうしたらいいの?」
「幼児期にどんな経験が子どもの成長に役立つの?」
そんな疑問をお持ちの保護者の方に、今回は「シュタイナー教育」の中でも特に注目されている「感覚教育」についてご紹介します。
五感を大切にするこの教育は、発達の土台をつくるうえでとても大事な役割を果たします。
特に乳幼児期の子どもたちにどんな良い影響があるのか、具体的な実践方法とともに分かりやすく解説します!
シュタイナー教育とは?
シュタイナー教育は、オーストリアの哲学者・教育者であるルドルフ・シュタイナーが創始した教育法です。
「自由への教育」をテーマに、子どもの心・体・精神をバランスよく育てることを大切にしています。
特に「感覚」に重点を置いた教育法が特徴で、「子どもの五感を育てることが、健やかな心と体を育む」という考え方に基づいています。
幼児期になぜ感覚教育が大切なの?
幼児期(特に0〜7歳)は、五感を通じて世界を認識する時期です。
シュタイナーはこの時期を「感覚を育む時期」と位置づけています。
- この時期にたくさんの良質な感覚刺激を受けることで、脳と体の発達がスムーズになる
- 感覚の質は、そのまま子どもの「安心感」や「自己肯定感」にも影響を与える
- 特に現代のように、視覚と聴覚ばかりが過度に刺激される環境では、バランスよく感覚を育てることが難しくなりがち
シュタイナー教育では、感覚そのものを「学びの基礎」と考え、感覚を丁寧に育てることで、その後の学力や社会性にも良い影響を与えるとしています。
シュタイナー教育で育てる「12の感覚」
シュタイナーは「人間には12の感覚がある」と提唱しました。
一般的によく知られている「五感(視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚)」に加え、以下のような感覚を大切にしています。
- 生命感覚
- 運動感覚
- 平衡感覚
- 自己感覚
- 他者感覚
- 言語感覚
- 思考感覚
- 意志感覚
特に乳幼児期は、生命感覚・運動感覚・平衡感覚・触覚といった「基礎感覚」が重要とされています。
これらをバランスよく育てることで、情緒の安定や、体の動きの発達が促されます。
シュタイナー教育の感覚教育で大切にされていること
① 触覚を育てる
子どもが安全で心地よいと感じる「触れられ方」や「触れるもの」が大切です。
✔ 自然素材(木、羊毛、コットン)のおもちゃを使う
✔ 手作りのぬくもりを感じられる物に触れる
✔ 砂や土、水に直接触れて遊ぶ体験をする
「手は外に開かれた脳」と言われるほど、手の感覚は脳の発達に密接に関係しています。
② 平衡感覚と運動感覚を育てる
バランスを取ることや、体の動きを調整することは、学習や集中力の基盤になります。
✔ 自然の中でのびのびと体を動かす(山登り、川遊び)
✔ ゆったりとしたリズムで揺れる動き(ブランコ、ハンモック)
✔ バランスボードや平均台遊び
シュタイナー教育の幼稚園では、リズム遊びや手遊び歌が日常的に取り入れられています。
③ 生命感覚(安心感)を育てる
規則正しい生活リズムと、予測可能な日課を守ることで、子どもに安心感を与えます。
✔ 一日の流れを一定にする(朝はお散歩、昼はお仕事、午後は自由遊び、など)
✔ 静かな時間を作る(キャンドルの灯りのもとでの読み聞かせなど)
✔ 感情が安定する環境づくり(急がせない、否定しない対応)
感覚教育による効果とは?
1. 感情の安定
「触れる・動く・感じる」を大切にした教育は、子どもの情緒を安定させます。
過度に刺激された環境から離れ、穏やかな環境で感覚を整えることで、不安やイライラが減少します。
2. 自己肯定感の向上
「できた!」という体験を繰り返し、自分自身を信じられるようになります。
感覚を通じた達成感や安心感が、「自分は大丈夫」という感覚を育てます。
3. 学習や社会性の土台が整う
感覚が整うことで、注意力・集中力が高まり、学習への意欲が出てきます。
さらに、他者への気遣いや共感などの社会性も育まれます。
家庭でできるシュタイナーの感覚教育
「シュタイナー教育の幼稚園に通っていないけれど、家でやってみたい!」という方も大丈夫!
家庭でも取り入れやすい方法があります。
✔ 自然素材のおもちゃや家具を選ぶ
✔ 1日1回は外で体を動かす時間をつくる
✔ 規則正しい生活リズムを心がける
✔ スクリーンタイム(テレビやスマホ)は時間を決めて最小限に
✔ 手作りおやつやごはんで五感を満たす
✔ 季節を感じる行事を大切にする
特に「大人が急がず、穏やかに関わる」ことが、子どもの感覚を整える大切なポイントです。
まとめ
シュタイナー教育の感覚教育は、
✔ 子どもの安心感
✔ 感情の安定
✔ 自己肯定感の育成
といった非認知能力を高めるために、とても有効な方法です。
五感を育てることは、単なる「遊び」ではなく、子どもの人生を支える土台作りでもあります。
「感じる力」を育てることが、学ぶ力や生きる力へとつながっていくのです。
保護者の方へのご案内
大阪府池田市にある療育センターエコルドでは、乳幼児期を専門とした児童発達支援を中心に、保育士チーム・作業療法士チームが1日20名の乳幼児に対して、集団活動や個別支援を通じて、専門性ある早期療育を提供しています。
送迎も施設から30分圏内を目安に実施しています。
池田市・箕面市・豊中市・吹田市の一部地域で、早期療育が必要なお子さんの保護者の方は、ポータルサイトの療育センターエコルドにお気軽にお問い合わせください。