大人になっても気づかれにくい発達障害:早期発見と支援の必要性

「うちの子、育てにくい気がするけど、気のせい…?」
「成長すれば、そのうちできるようになるはず…」
そんな風に思っている保護者の方も、いらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、発達の特性は「成長すれば自然に解決する」とは限りません。
気づかれないまま大人になり、働きづらさや生きづらさを抱えたまま生活している方も少なくないのです。
今回は、「気づかれにくい発達障害」について、早期発見と支援の必要性を分かりやすくお伝えします。
「発達障害」は大人になっても続く
発達障害は「子どもだけのもの」と思われがちですが、実は違います。
脳機能の特性は生涯続くため、大人になってもその影響は残ります。
幼少期に「ちょっと変わっている子」「マイペースな子」と見過ごされ、
特に学業成績が良かったり、目立った問題行動がなかったりすると、支援が入らずに大人になるケースも少なくありません。
その結果…
- 仕事でのミスが多い
- 人間関係がうまくいかない
- 社会的に孤立する
- 二次障害(うつ・不安障害など)を発症する
といった問題につながることもあります。
なぜ「気づかれにくい」のか?
気づかれにくい理由は、大きく3つあります。
1. 知的発達に問題がない
発達障害=知的障害という誤解がいまだに残っています。
知的な遅れがない場合、「できている」と誤解されがちです。
しかし、
- 指示の理解が遅い
- 集団行動が苦手
- 感情のコントロールが難しい
などの特性は、目立ちにくくても確かに存在しています。
2. 周囲のサポートによってカバーされている
幼児期は家族や先生が「手厚くサポート」してくれるため、困り感が表面化しにくいことも。
ですが、小学校や中学進学以降、サポートの手が減ると「自分だけできない…」と自信をなくすきっかけにもなります。
3. 社会適応力で乗り切ってしまう
いわゆる「カモフラージュ(仮面)」です。
他者に合わせようと頑張り続け、
✔ 疲れやすい
✔ 自己評価が低くなる
✔ 無理が重なりうつ症状へ
という悪循環に陥ることもあります。
早期発見のメリットとは?
「もっと早くわかっていたら…」
実は、早期発見にはこんなメリットがあります。
1. 自己理解が進む
「できない理由」が明確になると、自己肯定感が下がりにくくなります。
「私はダメなんだ」ではなく、「こういう特性があるから工夫すればできる」と前向きになれるのです。
2. 周囲の理解と協力を得やすくなる
周囲の誤解が減り、正しいサポートが受けやすくなります。
家庭・学校・療育などの場面で適切な関わりができれば、困り感を軽減できます。
3. 二次障害の予防
不安や抑うつ、引きこもりといった問題が起こりにくくなります。
特に学齢期以降は、社会との接点が広がるため、自己肯定感と社会性の土台作りが大切です。
早期発見のポイントは?
✔ なんとなく育てにくさを感じる
✔ こだわりが強い
✔ 集団行動が苦手
✔ 不安が強く、新しい環境が苦手
✔ 視線が合いにくい、コミュニケーションが噛み合わない
✔ 言葉の発達がゆっくり
✔ じっとしていられない・集中が続かない
…など、「ちょっと気になるな」と思ったら、早めの相談が大切です。
家庭でできるサポートの第一歩
「じゃあ、何から始めたらいいの?」
まずは、子どもの様子をよく観察し、どんな場面で困っているのかを具体的に知ることが大切です。
✔ できること、苦手なことを書き出す
✔ 得意なこと・興味のあることを一緒に楽しむ
✔ 予測できる行動パターンをつくる(スケジュール表や見通しの共有)
✔ 小さな成功体験を積み重ねて、自信を育む
専門機関への相談もおすすめ
子どもの発達が気になったら、
✔ 保健センター(乳幼児健診など)
✔ 児童発達支援センター
✔ 療育施設
✔ 保育所等訪問支援
などに相談しましょう。
早めの相談が、子どもにとって大きな安心感につながります。
まとめ
発達障害は大人になっても続きます。
「気づかれにくいからこそ」、早期に発見し、適切なサポートを受けることで、
✔ 自己肯定感を育む
✔ 社会性を伸ばす
✔ 二次障害を予防する
ことができます。
「今、気づけたこと」が未来を変える第一歩になります。
保護者の方へのご案内
大阪府池田市にある療育センターエコルドでは、乳幼児期を専門とした児童発達支援を中心に1日20名の乳幼児に対して、集団活動や個別支援を通じて、専門性ある早期療育を提供しています。
また、送迎も施設から30分圏内を目安に実施しています。
池田市・箕面市・豊中市・吹田市の一部地域で、早期療育が必要なお子さんの保護者の方は、ポータルサイトの療育センターエコルドにお気軽にお問い合わせください。