「手が出る」「癇癪がひどい」衝動性の高い子どもにどう対応する?

「すぐ怒る」「叩く」——困っているのは誰でしょう?
「気に入らないと手が出る」「思い通りにならないと大声で叫ぶ」「何度言っても同じことを繰り返す」。
こんな行動に悩む保護者の方は、少なくありません。
一方で、「この子、何か困ってるんじゃないか」と感じたことはありませんか?
実は、衝動的な行動は“本人の困り感”の表れであることが多く、大人の関わり方で少しずつ変わっていく可能性があります。
衝動性の高い子どもは「わがまま」なのか?
保育園での実践研究(野村朋, 2006)では、3歳から5歳にかけて衝動性が強く、「カッとなって暴れる」「集団行動が苦手」な子どもへの対応が継続的に検討されました。
そこから見えてきたのは、「衝動性が高い=悪い子」ではなく、
- 不安への敏感さ
- 自己表現の未熟さ
- 成功体験の不足
といった“背景”を持つ子どもが多いということです。
そして、大切なのは「どう叱るか」ではなく、どう受け止めて、どう関わるかなのです。
家庭でできる!衝動性のある子への3つの関わり方
1. 「感情に名前をつけてあげる」
「悔しかったんだね」「怒ってるんだよね」と、感情を言葉にして代弁してあげることで、子ども自身が気持ちを整理しやすくなります。
2. 「少人数・1対1」で関わる時間をつくる
衝動的な子ほど、大人との“落ち着いた関係”を必要としています。5分でもいいので、静かに話したり遊んだりする時間を意識的にとりましょう。
3. 「できたこと」に注目する
「今日は怒らずに我慢できたね」「順番を待てたね」など、結果よりもプロセスをほめることで、自信と自制心が育ちます。
まとめ:「行動の奥にある思い」を受け止める
手が出る、癇癪がひどい——それは子どもの「困っている」があふれ出たサインかもしれません。
大人が先回りして怒るよりも、「どうしたの?」「何が嫌だったの?」と気持ちに寄り添う姿勢が、子どもの安心と自己コントロールを育てていきます。
そして一番大事なのは、「できたときにしっかり認めること」。それが、子どもの「またやってみよう」という力になります。