「叱ってばかり…」自己肯定感を育てる言葉かけとは

「また怒ってしまった…」そんな毎日に悩んでいませんか?
「ちゃんと片付けなさい!」「なんでまた同じことするの!?」
毎日のように叱ってしまい、そのたびに自己嫌悪に陥る——。
「子どもを大切に育てたい」と思っているのに、なぜかイライラが止まらず、結局怒ってしまう。
こんな悩みを抱える保護者は少なくありません。
でも、「叱らないようにしよう」と意識するほど、逆にイライラしてしまうものです。
では、どうすればいいのでしょうか?
叱ることで子どもに起こる「3つの悪影響」
まず、知っておきたいのは、「叱ること」が子どもに与える影響です。
叱られることが続くと、子どもは次のような心の変化を経験します。
1. 自己肯定感が低くなる
- 「どうせ僕はダメなんだ」「また怒られるかもしれない」
- 叱られることで、自分に自信を持てなくなり、積極的に行動することを避けるようになります。
2. チャレンジ精神が失われる
- 「やってもどうせ怒られるから…」
- 失敗を恐れて新しいことに挑戦しなくなります。
3. 親子関係が悪化する
- 「お母さんはいつも怒ってる」「お父さんは怖い」
- 怒られるたびに心を閉ざし、相談しづらい関係になってしまうことも。
「叱ること」は本当に悪いのか?
ここで勘違いしないでほしいのは、「叱ること自体が悪い」わけではないということです。
子どもが危険なことをしたり、他人を傷つける行動をしたときには、叱ることも大切です。
問題は「叱り方」と「頻度」です。
- 何度も繰り返し叱る
- 理由を説明せずに怒鳴る
- 感情的に叱ってしまう
このような叱り方は、子どもにとって「なぜ怒られているのか」がわからず、ただ恐怖心だけが残ります。
結果として、同じ行動を繰り返し、さらに叱る——という悪循環に陥ってしまうのです。
叱る代わりにできる!自己肯定感を育てる3つの言葉かけ
1. 「できたこと」に注目してほめる
叱りたくなる気持ちを抑え、まずは「できたこと」を見つけてみましょう。
✅ 具体例:
- 「ちゃんと靴を揃えられたね!」
- 「今日はおもちゃをお片付けできたね」
- 「最後まで話を聞いてくれてありがとう」
ポイントは、「具体的」に伝えることです。
「えらいね」だけではなく、「何が良かったか」を明確に伝えることで、子どもも「またやってみよう」と思えるようになります。
2. 「どうしてそうしたの?」と気持ちを尋ねる
叱る前に、まずは子どもの気持ちに目を向けてみましょう。
- 「どうしたかったの?」
- 「何が嫌だったの?」
- 「困ったことがあったの?」
叱る前に子どもの思いを聞くことで、「ただ怒られた」と感じにくくなります。
また、保護者自身も「叱らなければいけない」と思い込まず、子どもに寄り添うことができます。
✅ 具体例:
- 兄弟を叩いてしまったとき:「嫌だったんだね。でも叩くのはダメだよ」
- おもちゃを投げたとき:「イライラしたんだね。投げる代わりに話してみよう」
3. 「ありがとう」と感謝を伝える
叱る場面が多いときこそ、感謝の言葉を増やしてみましょう。
子どもは「自分は家族の役に立っている」と感じることで、自分に価値を感じ、自己肯定感が高まります。
✅ 具体例:
- 「お片付けしてくれてありがとう!」
- 「お手伝い助かったよ!」
- 「教えてくれてありがとう!」
感謝の言葉は、子どもに「認められている」「必要とされている」と感じさせます。
これが、心の安定につながります。
叱る場面でも使える!ポジティブ変換フレーズ
どうしても叱らなければいけない場面もあります。
そんなときは「叱るフレーズ」を「ポジティブ変換」してみましょう。
叱るフレーズ | ポジティブ変換 |
---|---|
なんでちゃんとできないの? | 次はどうすればうまくいくかな? |
また散らかして… | 少しずつ片付けようか! |
いい加減にしなさい! | 落ち着いたら話そうね。 |
静かにしなさい! | ここは静かにすると気持ちいいね。 |
ポジティブ変換は、「叱られている」感覚を和らげ、子どもが受け入れやすくなります。
「自己肯定感を育てる」とは?
自己肯定感とは、「自分は大切な存在」「自分はできる」という感覚です。
この感覚は、子どもの心の土台となり、将来のチャレンジ精神や社会性にも大きく影響します。
- 叱られてばかりの子は、「自分はダメだ」と思いがち
- ほめられた経験が多い子は、「自分はできる」と自信を持てる
では、「ほめる」だけが大事なのかというと、そうではありません。
大切なのは、「ありのままの自分を認めてもらえた」という感覚です。
まとめ:「叱らない子育て」ではなく、「育てるための言葉かけ」
叱ることが悪いのではなく、叱り方や言葉の使い方を工夫することが大切です。
そして、何よりも大切なのは「認めてあげること」。
- できたことはしっかりほめる
- 気持ちを受け止めてあげる
- 感謝の言葉を伝える
「叱らない」と意識しすぎず、「どう伝えたらいいかな?」と考えてみましょう。
それだけで、子どもの心は少しずつ変わっていきます。
親子で笑顔が増える毎日を目指して、まずは「ありがとう」と言うところから始めてみてください。