「保育園で困っていると言われた…」どうする?

「おうちでは大丈夫なのに…」保育園からの指摘に戸惑うあなたへ
「保育園で落ち着きがありません」「お友達とトラブルが多いです」
そんな先生からの言葉に、驚いたり、不安になったりしたことはありませんか?
「家では普通にしているのに…」「ちゃんと育てられていないのかな?」と、自分を責めてしまう保護者も多いでしょう。
でも、まず知っておいてほしいのは、「保育園での様子が家庭と違うのは自然なこと」だということです。
なぜ保育園での様子が家庭と違うのか?
1. 集団の中でのストレス
保育園は、多くの子どもたちが集まる「集団生活」の場です。
- 自分のペースで過ごせない
- お友達との関わりで感情のコントロールが必要
- 遊びや活動が次々と変わる
家ではゆったり過ごしていても、保育園では「やることがたくさん」「友達と一緒」という状況に戸惑い、普段は見られない行動が現れることがあります。
2. 大人の視線が分散する
家庭では親が1対1でじっくり関われることも多いですが、保育園では先生は複数の子どもを見守ります。
- そのため、すぐに助けてもらえない
- 先生の目が行き届かないこともある
子どもは「誰も見てくれない」「自分の気持ちをわかってもらえない」と感じ、不安や混乱から問題行動につながることもあります。
3. 発達特性が表れやすい
集団の中では、発達特性(ASD:自閉スペクトラム症、ADHD:注意欠如・多動症)が目立ちやすくなります。
- お友達の表情や気持ちを読み取れない(ASDの特性)
- じっと座っているのが苦手(ADHDの特性)
- ルールが曖昧だと混乱してしまう
家庭では目立たなかった特徴が、集団の中で浮き彫りになることもあります。
先生から「困っている」と言われたら…保護者が最初にすべき3つのこと
1. 冷静に話を「聞く」
「そんなはずない!」「家では大丈夫です!」と反論するのではなく、まずは先生の話をしっかり聞きましょう。
- 「どんな場面で問題が起きていますか?」
- 「他の子どもと比べて、どんなところが気になりますか?」
- 「そのとき、うちの子はどう反応していますか?」
先生の目線から具体的なエピソードを聞くことで、保護者も状況を客観的に理解できます。
2. 家庭での様子も観察し、記録してみる
先生から指摘された行動が、家庭でも見られるかどうか確認してみましょう。
- 朝の準備に時間がかかる?
- 兄弟と遊ぶときにトラブルが多い?
- 何かに集中して遊んでいるときは落ち着いている?
家庭では問題が見られない場合もあります。
その違いを記録しておくことで、先生と共有したり、専門機関に相談する際の参考になります。
3. 先生と連携し「家庭でできる工夫」を確認
先生に「家庭でもこんな工夫をしてみようと思いますが、どうでしょうか?」と相談してみましょう。
- 朝の準備をスムーズにするために「見通し」を伝える(「あと5分でお片付け」)
- トラブルになりやすい遊びを避けるのではなく、「順番を守る」「気持ちを伝える」練習をする
- 園での様子を家庭でも再現し、「どうしたらうまくいくか」を子どもと一緒に考える
先生と家庭での対応を共有し、子どもに一貫性をもたせることで、安心して成長できる環境を作れます。
「支援が必要かも…」と思ったら
もし、先生からの指摘や家庭での様子から「支援が必要かも」と感じたら、早めに専門機関に相談してみましょう。
✅ 相談先の例
- 発達支援センター(市区町村に設置)
- 療育センター(児童発達支援)
- 小児科や発達外来(発達診断も可能)
発達支援は「診断」が目的ではなく、「今の子どもに合ったサポート」を見つけるためのものです。
早めに相談することで、子どもも保護者も余裕を持って対応できます。
それでも「不安が続く」ときはどうする?
「先生からの指摘が気になって仕方がない…」
「このまま問題が続いたらどうしよう…」
そんな不安を抱える保護者も少なくありません。
でも、子どもは「支援や関わり次第」で大きく成長します。
- 先生と連携し、できたことをしっかりほめる
- 小さな成功体験を積み重ねる(順番を守れた、挨拶ができた)
- 家庭では「安心できる時間」をしっかり作る(スキンシップ、抱っこ、おしゃべり)
また、保護者自身も「相談できる場」を持つことが大切です。
- 市区町村の育児相談窓口
- 療育センターでの親向けの講座
- 同じ悩みを持つ保護者との交流会
「一人で悩まないこと」が大切です。
まとめ:「困っている」=「チャンス」
保育園で「困っている」と言われることは、決してネガティブなことではありません。
むしろ、子どもの成長のチャンスです。
- 先生と連携し、子どもの困りごとを理解する
- 家庭での様子も観察し、対応を工夫する
- 必要なら、専門機関につながり支援を受ける
子どもは「親の見守り」と「支援」の中で、少しずつできることを増やしていきます。
そして保護者もまた、「どう関わればいいか」を学び、成長していくのです。
「うちの子、どうしたらいい?」と悩む気持ちは、子どもを大切に思っているからこそ。
その気持ちを大切にしながら、一歩ずつ前に進んでいきましょう。