「片付けられない子」お片付けを楽しく身につけるコツ

「何度言ってもできない」「また散らかってる!」と悩む保護者へ
- せっかく片付けても、すぐ散らかしてしまう
- 何度言っても片付けをしない
- 片付けをめぐって毎日バトル…
子育て中、誰もが一度はぶつかる「お片付け問題」。
「なんでできないの?」「また言わなきゃいけないの?」と、ついイライラしてしまいますよね。
でも実は、子どもにとって「片付ける」ことは、大人が思う以上に難しい作業なのです。
今回は、子どもが「楽しく」「自然に」片付けられるようになるためのヒントをご紹介します。
子どもが片付けられない3つの理由
1. 何をどこに片付けるのかがわからない
大人には「当然の場所」でも、子どもにとっては「どこに何を置いたらいいの?」と迷子状態。
特におもちゃがたくさんあると、「どこに置くのが正解かわからない」と感じやすいのです。
2. 片付けの全体像が見えない
「片付けて」と言われても、何からどう手をつけたらいいのかわからない。
子どもは「片付けて」の指示が大きすぎて、どこから手をつければいいのか混乱しがちです。
3. 遊びの途中で切り替えができない
遊んでいる最中に「片付けて」と言われると、気持ちの切り替えがうまくできない子も多いです。
急に「終わりにして」と言われると、「まだ遊びたい!」と反発したくなる気持ちは自然なことです。
今日からできる!お片付けのコツ5つのステップ
1. 「片付ける場所」を具体的に決める
子どもが迷わず片付けられるように、片付ける場所を具体的に決めましょう。
例えば:
- 「車のおもちゃは青い箱」
- 「積み木は黄色いかご」
- 「おままごとはピンクの棚」
✅ コツ:
- 写真やイラストでラベルをつけてあげると、視覚的にわかりやすくなります。
- 一緒に決めてあげることで「自分でできる感」がアップします。
2. 「終わりの時間」を予告する
遊んでいる途中で「もう片付けて」と言われると、子どもは切り替えが難しいものです。
片付けに入る前に、「あと5分でお片付けしようね」と予告してあげましょう。
✅ コツ:
- タイマーや砂時計を使うと、時間の見通しが持ちやすくなります。
- 子どもが自分でタイマーをセットするのもおすすめです。
3. 一緒に片付ける
「片付けなさい」と指示するだけでは、なかなか動きません。
最初は「一緒にやろう」と声をかけて、保護者も一緒に手伝うことから始めましょう。
✅ コツ:
- 一緒に片付けながら「これはここに入れるんだよね」と声をかけてあげる。
- 片付けが遊びの一部になるように、歌を歌いながらでもOKです。
4. 小さく区切る
「全部片付けてね」では、子どもにとってハードルが高すぎます。
「積み木だけ片付けよう」「ぬいぐるみだけ片付けよう」と、まずは一部から声をかけるのがポイントです。
✅ コツ:
- できたら「積み木は全部片付けられたね、すごい!」と達成感を味わわせる。
- 「次はぬいぐるみね」と次のステップへ進めていく。
5. 片付けた後をしっかりほめる
「できたね」「きれいになったね」と、子どもががんばったことをその場でしっかり認めてあげましょう。
「きれいになって気持ちいいね」と言葉を添えることで、片付けの気持ちよさが子どもにも伝わります。
✅ コツ:
- 「上手にできたね」「ありがとう、助かったよ」と、できたことをしっかりと具体的に伝える。
- ごほうびシールやお手伝いポイントカードなどを活用してもOK。
片付けを“遊び”にしてみよう
「片付けなさい」よりも、遊び感覚で楽しめると、子どもも進んで動いてくれます。
✅ 例えばこんなアイデア
- 「どっちが早く片付けられるか競争しよう!」
- 「赤いおもちゃだけ先に探して入れてみよう!」
- 「お片付けロボットになってみよう!」(ロボットのマネをしながら)
こうした工夫で、「片付け=楽しいこと」に変わっていきます。
それでも片付けができないときは?
「何をしても片付けられない…」
「毎回イライラして終わってしまう…」
そんなときは、子どもの発達段階や特性が影響している場合もあります。
- ADHD(注意欠如・多動症)の特性で、「片付ける」という順序立てが苦手
- ASD(自閉スペクトラム症)の特性で、「どこに片付けるのか」が理解しにくい
- 感覚過敏や不安感で、「おもちゃに触るのが嫌」「触りたくない」と感じていることも
無理に叱り続けるのではなく、一緒にできる工夫を探したり、専門機関や療育センターに相談するのも一つの方法です。
まとめ:片付けは「教える」より「一緒に育てる」もの
片付けは、ただの生活習慣ではなく、自分で考え、計画し、行動する力を育む大事なステップです。
そして、それは一度に完璧になるものではありません。
- 片付け場所をわかりやすくする
- 見通しをもたせる
- 一緒にやる
- 小さく区切って達成感を味わわせる
- しっかりほめて自信をつける
これらを少しずつ積み重ねることで、「自分から片付けられる子」に近づいていきます。
「またできなかった」より、「昨日より少しできた」を大切に。
一緒に片付けの習慣を育てていきましょう。