お友達とケンカばかり…仲直りを学ぶステップ

「またケンカしてる…」「仲直りさせたいけど、どうしたらいい?」と悩む保護者へ
- ちょっとしたことで「もう遊ばない!」と怒る
- おもちゃの取り合いで取っ組み合いになる
- 泣いて謝れない、相手の気持ちを想像できない
子どものケンカは、保護者にとって心配の種。
「仲良く遊んでほしいのに」「すぐケンカになるのはうちの子だけ?」と、不安になることもありますよね。
でも実は、ケンカには子どもの大切な発達課題が隠されています。
今回は、子どものケンカの意味と、仲直りを学ぶステップを一緒に考えてみましょう。
そもそも、子どもはなぜケンカをするの?
1. 自分の気持ちを優先してしまうから
3〜5歳頃は「自分の気持ち」を最優先に行動します。
- 「今これで遊びたい」
- 「ぼくのものを取られた」
自分の気持ちがあふれて、相手の気持ちまで考える余裕がありません。
2. 言葉で伝えるのがまだ難しいから
自分の気持ちを「ことば」で伝える力は、少しずつ育っていくもの。
特に、悔しい・怒った・悲しい気持ちは、言葉にするのが難しく、つい手が出たり泣き出したりしてしまいます。
3. 社会性を学んでいる途中だから
ケンカは「社会性」を育む大切な機会。
相手との関わりの中で「こうすると嫌なんだ」「こう言えば伝わるんだ」と学んでいきます。
ケンカは「成長のチャンス」
大人はつい「ケンカ=悪いこと」と感じてしまいがちですが、実はケンカを通して
- 自分の気持ちを伝える
- 相手の気持ちに気づく
- 仲直りの仕方を知る
こうした力が育ちます。
つまり、ケンカは子どもの社会性の大事なレッスンなのです。
ケンカの後、保護者がしてあげたい3つのステップ
1. まずは子どもの気持ちを受け止める
ケンカの後、「どうしてそんなことしたの!」「謝りなさい!」と怒りたくなる気持ちはよくわかります。
でも、まずは子どもの気持ちをしっかり受け止めてあげましょう。
✅ 例:
- 「悔しかったんだね」
- 「取られてイヤだったんだね」
- 「遊びたかったのに貸してもらえなかったんだね」
こうした共感の言葉が、子どもの心を落ち着ける第一歩です。
2. 落ち着いてから「どうしたらよかったかな?」と一緒に考える
感情が落ち着いてから、「どうしてケンカになったのかな?」「どうしたらよかったかな?」と、一緒に考えます。
✅ 例:
- 「貸してほしかったら、どう言えばよかったかな?」
- 「順番で遊ぶってどんなふうにしたらいいかな?」
- 「今度はどうする?」
このステップで大事なのは、「ダメなことを責める」のではなく、「次にどうすればいいか」を一緒に考えることです。
3. 仲直りの方法を教える
「ごめんなさい」は大事ですが、ただ言わせるだけでは仲直りにはつながりません。
子どもが仲直りしやすいように、保護者がサポートしましょう。
✅ 例:
- 「『貸して』って言えなかったね。今度は一緒に言ってみようか」
- 「『一緒に遊ぼう』って声をかけてみようか」
- 「仲直りするって、どんな気持ちかな?」
無理に謝らせるのではなく、「気持ちを伝える」練習を積み重ねることで、少しずつ仲直りの仕方が身についていきます。
ケンカの最中に保護者ができること
「止めに入るべき?」「見守るべき?」と悩む場面もありますよね。
基本は「ケガや危険がない限りは見守る」。
でも、すぐに手が出てしまう、泣き叫んでしまう場合は大人のサポートが必要です。
✅ ポイント:
- 「ストップ!一度止まろう」と仲裁する
- 「順番にお話しようね」とクールダウンの時間を作る
- 「ママがいるから安心して話してね」と寄り添う
ケンカの“交通整理役”として、安全に気持ちを切り替える場を作ってあげましょう。
「謝れない子」はどうしたらいい?
「悪いことをしたのに謝れない」
「言葉で『ごめんね』が言えない」
そんな子も多いです。
これは「謝りたくない」わけではなく、
- 気持ちを整理するのが難しい
- 言葉にするのが恥ずかしい
- 謝る=負けた気がして嫌
などの理由があることが多いです。
✅ 対応のヒント:
- 「『ごめんね』が言えないときは、絵を描いて渡すのもいいよ」
- 「頭をペコっと下げるだけでもいいよ」
- 「今は言えなくても、あとで『ごめんね』って言おうね」
謝る方法を一緒に考え、子どもが「やってみようかな」と思える形を探してあげましょう。
保護者が大切にしたいこと
1. ケンカを悪いことと決めつけない
ケンカは、子ども同士が関わりながら学ぶチャンスです。
2. 子どもの気持ちに寄り添いながら見守る
すぐに謝らせるのではなく、気持ちを落ち着けてから「次にどうする?」と一緒に考えることが大切です。
3. 「仲直りできたね!」をしっかりほめる
仲直りまでたどり着けたら、それは子どもにとって大きな成長です。
まとめ:ケンカは“仲直りを学ぶ”大切な機会
「またケンカしてる…」
そう思ったときこそ、子どもが社会性を学ぶ大きなチャンスです。
大人のサポートで、子どもは少しずつ仲直りの仕方を身につけ、友達との関係を築いていきます。
- 気持ちを受け止める
- クールダウンする時間を作る
- 仲直りの方法を一緒に考える
- 謝れないときの代わりの方法を一緒に探す
保護者の関わり次第で、ケンカが「成長の一歩」になります。
今日から、ケンカの後の声かけを少し変えてみませんか?