「パパ・ママ大好き!」からの分離不安へのサポート

「離れたくない」「ママがいないとダメ!」——保護者もつらい分離不安の悩み
- 保育園で泣いて離れない
- 買い物に行こうとすると「ママも一緒に!」と離れない
- パパやママがトイレに行くだけでも泣き叫ぶ
——子育て中、「うちの子、いつもママがいいって泣くの…」と悩む保護者の方も多いのではないでしょうか。
「甘えさせすぎかな?」「このままで大丈夫かな?」と不安になることもありますよね。
でも実は、「パパ・ママがいないとダメ!」という気持ちは、子どもの発達過程でとても大切な感情なんです。
今回は、その理由とともに、保護者ができる分離不安への具体的なサポート方法を紹介します。
そもそも分離不安ってなに?
「分離不安」とは、愛着を持つ大人(保護者など)と離れることに強い不安を感じ、泣いたり不安定になる状態をいいます。
これは、子どもが大好きな人を「心の安全基地」にしているからこそ起こる、健全な発達のひとつです。
✅ よく見られる時期
- 1歳半〜3歳頃(特に多い)
- 4〜5歳でも新しい環境や生活の変化で出やすい
子どもにとって「大好きな人」と離れるのは冒険
子どもにとってパパやママは、心を落ち着ける大切な存在。
そこから離れるのは、「大海原にひとりで出航するような大冒険」に感じられるのです。
特に、初めての場所や人がたくさんいるところでは、不安が大きくなるのは自然なこと。
「この人がいないと不安…」という気持ちは、「安心の基地を持っている証拠」でもあります。
分離不安が強くなる3つの理由
1. 愛着の発達段階
親と子どもの「愛着関係」は、心の土台を作ります。
しっかりと愛着があるからこそ、離れることが不安になるのです。
2. 見通しの持ちにくさ
「ママは必ず戻ってくる」という見通しが持てないと、不安でいっぱいになってしまいます。
3. 自分の感情のコントロールが未熟
小さい子どもは「さみしい」「不安」といった気持ちを自分でコントロールするのが難しく、泣いて訴えることで気持ちを表しています。
今日からできる!分離不安への5つのサポート
1. 「いなくなるけど、必ず戻るよ」と予告する
突然姿が見えなくなると、子どもは「ママはどこ?」「もう戻ってこないの?」と不安になります。
「ちょっとだけ離れるね」「お買い物に行ってすぐ戻るね」と、必ず戻ることを伝えてあげましょう。
✅ 例:
- 「ママはトイレに行くね。終わったらすぐ戻るよ」
- 「お迎えには絶対来るよ。おやつの時間の後ね」
- 「お仕事終わったら、お家に帰ってくるからね」
2. 短いお別れでスムーズに
泣かれると、つい長く抱きしめたり、なだめたりしてしまいますが、逆に子どもの不安を強めてしまうこともあります。
「必ず戻るよ」の一言とぎゅっと抱きしめて、スパッとバイバイする方が子どもも切り替えやすいのです。
✅ ポイント:
- 泣いても「大丈夫だよ、必ず戻るからね」と言葉で安心させる
- 親も笑顔で見送る(不安そうな顔は子どもに伝わります)
3. 帰ってきたら必ず抱きしめる
お迎えのときや帰宅後は、しっかり抱きしめて「待っていてくれてありがとう」と伝えましょう。
「ママはちゃんと戻ってきてくれる」という安心感が、次の分離不安を減らします。
✅ 例:
- 「ママ帰ってきたよ、よくがんばったね」
- 「寂しかった?ママも会いたかったよ」
- 「また一緒に遊ぼうね」
4. 安心グッズを活用する
親の代わりに心を落ち着ける「安心アイテム」を持たせるのもおすすめです。
✅ 例:
- 親の匂いがついたハンカチ
- お気に入りのぬいぐるみ
- 小さな写真やお守り
これがあることで「ママがそばにいるみたい」と安心しやすくなります。
5. 保護者自身が安心している姿を見せる
子どもは親の気持ちにとても敏感です。
親が不安そうな顔をしていると、「やっぱり大変なことなんだ」と感じてしまいます。
「大丈夫だよ、必ず迎えに来るからね」と笑顔で伝えることが、子どもの安心につながります。
分離不安が強すぎるときは?
- 園で大泣きして吐いてしまう
- 生活全般に強い不安がある
- 園や家庭で何をしても切り替えが難しい
このような場合は、発達特性(ASD、ADHD、強い不安傾向)などが関わっている可能性もあります。
療育センターや発達相談窓口、小児科などで相談し、子どもに合ったサポートを受けてみてください。
まとめ:「大好きだから不安になる」のが分離不安
子どもが「パパ・ママじゃなきゃダメ!」と泣くのは、親との愛着関係がしっかり育っている証拠です。
- 必ず戻ることを伝える
- 短く笑顔でバイバイする
- 帰ったら抱きしめて安心させる
- 安心グッズを活用する
- 親自身も安心している姿を見せる
この積み重ねが、少しずつ「ママがいなくても大丈夫」と思える心を育てます。
「離れるのが怖い」気持ちに、優しく寄り添いながら成長を応援していきましょう。