「うちの子、ちょっと“育てにくい天才”かも?」——“ギフテッド”という特性と向き合う

こんにちは。
子育ての中で、「この子、すごく賢いんだけど、なんか育てにくいな…」と感じることはありませんか?
- 難しい言葉をどこで覚えたの?と驚くような話し方をする
- 大人もハッとするような発想をする
- とにかく知りたがりで質問が止まらない
でもその一方で、
- 集団行動が苦手で園で浮いてしまう
- 些細な音や光に敏感でパニックになる
- 気持ちの切り替えがとても苦手
そんな様子に、「ちょっとこの子、普通とは違うかも」と不安になることもありますよね。
それ、「ギフテッド」という特性かもしれません。
“ギフテッド”とは?
「ギフテッド(Gifted)」とは、直訳すると「贈り物をもらった子」。
つまり、「ある領域において特に高い能力を持つ子どもたち」のことを指します。
でも、ただ“賢い子”というわけではありません。
ギフテッドの子どもは、頭の中ではいろいろなことが理解できていても、体の使い方や集団生活の中での立ち振る舞いがうまくできなかったり、周囲とテンポが合わなかったりすることがよくあります。
これは、「認知のアンバランス」があるからです。
WISC-Ⅳでわかる「アンバランスな才能」
知能検査WISC-Ⅳでは、「言語理解」「知覚推理」「ワーキングメモリ」「処理速度」といったさまざまな項目で子どもの能力を測ります。
ギフテッドの子は、たとえば「言語理解」がとても高いのに「処理速度」が極端に低いなど、得意・不得意の差が大きいことが多くあります。
この“ギャップ”が、子どもの「生きづらさ」につながることもあるのです。
なぜ“天才”なのに困ってしまうの?
「こんなに頭がいいのに、なぜ困ってるの?」
実はその「天才的な力」が、かえって子ども自身を苦しめていることもあります。
たとえば…
- まわりの子より早く気づいてしまう分、些細な変化が気になって落ち着かない
- 自分の中の理想と現実のギャップに、イライラしたり自己否定したりする
- 「変わってる」と言われたり、孤立した経験が積み重なって自己肯定感が低くなる
そんなふうに、「わかっているのにうまくできない」「誰にもわかってもらえない」という孤独を感じていることがあるのです。
「困っている」ではなく「困っていそう」に気づくことが大切
ギフテッドの子どもたちは、外から見ると「問題ない優等生」に見えてしまいがち。
でも、心の中では「すごくがんばってる」「すごく悩んでる」ことがあります。
だからこそ、私たち大人が「この子、もしかしたら支援が必要かも」と一歩踏み込んで気づいてあげることが、子どもの未来を大きく変えます。
今日からできる「育てにくい天才」との向き合い方
🔸 その子の“得意”にとことん付き合ってみる
たとえば電車が好きなら、図鑑を一緒に見たり、駅に行って観察したり。
「知りたい!」という気持ちに寄り添うことが、何よりの安心になります。
🔸 苦手な部分には「できる工夫」を
字が書けないならタイピングを使ってみる。音が苦手ならイヤーマフを使う。
「あなたはダメ」じゃなくて、「これならできるよ」を一緒に見つけていきましょう。
🔸 「あなたはあなたのままでいい」と伝える
完璧じゃなくていい。得意と苦手があっていい。
その子が「ぼくは大丈夫」と思える声かけが、何よりの支援です。
最後に:未来を信じて、そっと背中を押してあげよう
ギフテッドの子どもたちは、ひときわ繊細で感受性が強く、でもとても深い思考力と創造性を持っています。
そして、周囲の「理解」と「安心」があれば、その力を社会で大きく活かしていくことができます。
「育てにくさ」は、実は「才能の種」の裏返し。
子どもの可能性を信じて、一緒に歩いていけるといいですね。