「寝ない・夜泣きがつらい…」——親子の睡眠を整えるヒント

こんにちは。
育児をしていると、「夜なかなか寝てくれない」「何度も夜泣きされてぐったり」といった悩みは、保護者にとって切実なストレスですよね。
今回は、睡眠の大切さに触れながら、乳幼児期によくある「寝ない・夜泣き問題」に焦点を当て、専門的な視点を交えて対応のヒントをご紹介します。
第1章 乳幼児の睡眠リズムはこうして整っていく
1. 生まれたばかりは「昼夜逆転」が当たり前
新生児は1〜3時間おきに授乳・睡眠を繰り返すリズムです。これは睡眠調節中枢が未発達であるため。日光や家族の声、授乳時間などを通じて「昼」と「夜」の区別が次第につくられていきます。
2. 3~6ヶ月でまとまった眠りが始まる
生後3〜6ヶ月頃になると、夜に6時間程度の連続睡眠がとれるようになります。とはいえ個人差が大きく、成長段階によってまだまだ揺れ動くため焦らないことが大切です。
3. 1歳以降は夜間の睡眠と昼寝に分かれる
1歳をすぎる頃には、夜の睡眠が10〜12時間になり、昼寝が1〜2回程度になります。夜の睡眠が浅いと、「抱っこしないと寝ない」状態になりやすい傾向があります。
第2章 なぜ寝てくれないの? 苦しい睡眠の背景には…
● 規則的な日中リズムが整っていない
昼間に運動量が少なく、刺激的な時間が多いと、夜になっても十分な疲労感が得られず寝つきが悪くなることがあります。
● 寝る環境のわずかな違和感
温度、光、音、布団の感触など、微妙な環境の変化で寝つけなくなることもあります。靴下やタグへの敏感さが夜泣きの原因になる例も少なくありません。
● 夜中に「何かあった!」と感じて目覚めてしまう
赤ちゃんは些細な物音や体の感覚変化でも安心ラインが崩れると目を覚まします。起きたときに「ママがいない!」「何か怖い!」と不安になって泣く子もいます。
● 親の対応が夜泣きを誘発していることも
夜中にムリに起こして授乳や明るい灯りで遊び相手になると、子どもはそれが「夜は活動時間」と学習してしまうことがあります。
第3章 できる!親子のための“睡眠リズム整え5ステップ”
ステップ① 日中のリズムを整える
朝起きたらカーテンを開けて日光を浴びる習慣をつくる。昼間にリズム運動や外遊び、お散歩タイムを取り、体に“夜は眠る時間”というサインを与えます。
ステップ② 夜の寝かしつけに儀式を
「寝る前のパジャマに着替える」「絵本を読む」「やさしい音楽」「電気を暗めにする」など、日常の終わりを告げる“おやすみ儀式”を毎晩習慣化します。
ステップ③ 夜中の起きたときは“最低限”の声かけ・対応で
眠りの環境を壊さないために、声は小さく、照明は明かりを点けずに様子を見て対応します。「大丈夫だよ、寝ていていいよ」と短い声だけで、そっと消えましょう。
ステップ④ 夜泣きが続くときは、日中の疲労バランスを見直す
昼間の活動が少ないと夜遅くにエネルギーが余り眠れないこともあります。逆に昼寝が長すぎても夜の寝つきを妨げます。日中リズムの再調整が必要です。
ステップ⑤ 複数の感覚面を整えておく
「暑くないか」「布団の硬さや肌触り」は敏感な子では大きな要因になります。加えて、ぬいぐるみや安心グッズなど“抱きしめられるもの”を用意しておくと安心感につながります。
第4章 夜泣きは“成長のサイン”でもある
夜泣きや寝ない行動は、成長段階にある子どもが“安心ラインがグッと高くなった”証拠でもあります。
自立心が芽生えて、ちょっとした時に自分の世界に気づき、親との距離の微調整が必要になるためです。
また、昼間のイヤイヤ期とリンクすることも多く、心身の成長は“子ども自身のリズム再構築”でもあります。
第5章 「こんなに寝ないのは私のせい?」という親のために
不眠に疲れてしまうと、保護者自身もイライラしたり、体調を崩したりしやすくなります。
そのためにも、以下が重要です:
- ご主人や祖父母など、夜間のフォローを受ける
- 起きても泣かれたとき離れて座って少し休む
- 一人の夜は「明日こうしてみよう」と栄養的な慰めのセルフトークを
- 気になるときは早めに小児科や乳児保健師に相談して大丈夫
最後に:焦らない、でもあきらめない
夜泣きや寝ない問題に「本当に疲れ果てた」と感じる日は、親にとって一番つらい時期かもしれません。
でも、だいたいのケースで「今だけ」――子どもも家庭も春を迎えるように穏やかな朝がやがてやってきます。
焦らず、子どものリズムと発達を信じながら、小さな改善を積み重ねていくことが最も大切です。
安心して眠れる夜を取り戻すために、今日から少しずつ、睡眠リズムづくりに取り組んでいきましょう。