模倣の遅れを指摘された時、保護者が知っておくべきこと

1歳半健診で、保健師から言われました。バイバイはできますか?パチパチは?いないいないばあは?どれもできないと答えると、保健師の顔が曇りました。模倣が遅れていますね、様子を見ましょう。
確かに、他の子はバイバイができるのに、我が子はできません。教えても、やって見せても、全く真似しようとしません。パチパチと手を叩くこともしません。いないいないばあも、反応はするけれど、自分ではやりません。
他の親子を見ると、みんな楽しそうにバイバイしたり、お歌に合わせて手遊びしたり。我が子だけが、ぼーっと見ているだけ。何度教えても、できるようになりません。このままで大丈夫なのでしょうか。
模倣ができない。これは、発達の重要なサインです。模倣は、学習の基礎であり、社会性の基礎でもあります。1歳半という早い段階で気づけたことは、実は大きなチャンスです。早期から適切な支援を受けることで、模倣する力は育ちます。
模倣とは
模倣は学習の基礎
模倣とは、他人の行動を見て、同じことをする能力です。
赤ちゃんは、模倣を通して様々なことを学びます。お母さんの表情を真似る、お母さんの動作を真似る、お母さんの言葉を真似る。模倣することで、人間は驚くべき速さで、多くのことを学習していきます。
発達とともに高度になる模倣
模倣は、発達とともに高度になっていきます。
0〜6ヶ月頃は、お母さんが舌を出したら真似をする、などの簡単な模倣が見られます。6ヶ月〜1歳頃には、バイバイやパチパチなどの身振りを真似るようになります。1歳〜2歳頃には、日常生活の動作を真似る、ごっこ遊びをするなど、より複雑な模倣ができるようになります。
模倣の種類
模倣には、いくつかの種類があります。
即時模倣:見た直後に真似をする。遅延模倣:後で思い出して真似をする。身振り模倣:バイバイなど、身振りを真似る。音声模倣:言葉や音を真似る。動作模倣:日常生活の動作を真似る。
それぞれの模倣が、段階的に発達していきます。
1歳半で期待される模倣
1歳半頃には、以下のような模倣ができることが期待されます。
バイバイ、パチパチ、いないいないばあなどの身振り模倣。簡単な言葉の模倣(ワンワン、ブーブーなど)。簡単な動作の模倣(頭をなでる、お辞儀をするなど)。
これらができない場合、模倣の遅れとして指摘されることがあります。
なぜ模倣が重要なのか
言葉の発達の基礎
言葉は、音声模倣から始まります。
お母さんが言った言葉を真似る、それが言葉の獲得の第一歩です。模倣ができないと、言葉の発達も遅れやすくなります。実際、模倣が苦手なお子さまは、言葉の遅れも見られることが多いです。
社会性の基礎
模倣は、社会性の基礎でもあります。
友達の遊びを真似る、友達と同じことをする。これが、友達との関わりの始まりです。模倣を通して、人に注目する、人に興味を持つ、人と同じことをする喜びを知ります。
学習能力の基礎
模倣は、学習能力の基礎です。
見て学ぶ、真似して学ぶ。これができないと、新しいことを学ぶのに時間がかかります。模倣する力があれば、様々なことを効率的に学べます。
コミュニケーションの基礎
バイバイやパチパチなどの身振りは、言葉が出る前のコミュニケーション手段です。
身振りでコミュニケーションを取る経験が、言葉でのコミュニケーションにつながります。模倣を通して、非言語的コミュニケーションを学びます。
他者理解の基礎
模倣は、他者を理解する基礎でもあります。
他人の行動を真似るためには、他人を見る、他人に注目する、他人の意図を理解する必要があります。模倣を通して、他者理解が育ちます。
模倣ができない理由
模倣の発達がゆっくり
模倣の発達には、個人差があります。
1歳半でまだできなくても、2歳、3歳と成長する中で、自然にできるようになるお子さまもいます。発達がゆっくりなだけで、時間が解決することもあります。
自閉スペクトラム症の可能性
模倣の遅れは、自閉スペクトラム症の特性の一つです。
自閉症のお子さまは、人への興味が薄く、人の行動に注目しないため、模倣が遅れやすいです。目が合いにくい、呼んでも振り向かない、人への興味が薄いなど、他のサインも見られる場合は、自閉症の可能性が考えられます。
運動面の課題
模倣するためには、体を動かす能力が必要です。
手を叩く、手を振るなど、体の動きをコントロールする力が必要です。運動発達が遅れている場合、模倣も難しくなることがあります。
認知面の課題
模倣するためには、見たものを理解し、記憶し、再現する認知能力が必要です。
認知発達が遅れている場合、模倣も難しくなることがあります。
注目する力の弱さ
模倣するためには、まず他人に注目する必要があります。
他人に注目する力が弱い、注意が散漫で集中できない。そのような場合、模倣が難しくなります。
動機の弱さ
模倣するためには、真似したいという動機が必要です。
人に興味がない、人と同じことをする喜びを知らない。そのような場合、模倣する動機が生まれにくいです。
模倣を促す家庭での関わり方
たくさん見せる
模倣を促すには、まずたくさん見せることが大切です。
バイバイ、パチパチ、いないいないばあ。日常生活の中で、繰り返し見せます。お母さんだけでなく、お父さん、祖父母、みんなでやって見せることで、たくさんのモデルに触れられます。
楽しい雰囲気で
模倣を教える時は、楽しい雰囲気が大切です。
笑顔で、楽しそうに、パチパチ!と手を叩く。バイバーイ!と楽しそうに手を振る。楽しそうだから、真似したくなる。その気持ちを引き出します。
手を添えて一緒に
自分からは真似しない場合、手を添えて一緒にやってみます。
お子さまの手を持って、一緒にパチパチと叩く。一緒にバイバイと手を振る。体で覚える経験も大切です。ただし、無理強いはせず、嫌がったらやめることも重要です。
できたら大げさに褒める
少しでも真似したら、大げさに褒めます。
わあ、できた!すごい!と笑顔で喜ぶ。真似したら良いことがある、嬉しいことがある。その経験を積むことで、真似する動機が育ちます。
歌や手遊びを活用
歌や手遊びは、模倣を育てる良い機会です。
グーチョキパーで何作ろう、むすんでひらいて、など。歌に合わせて手を動かす経験を繰り返すことで、模倣する力が育ちます。
日常生活の中で
特別な訓練の時間を作るのではなく、日常生活の中で模倣を促します。
外出から帰った時にバイバイ、楽しい時にパチパチ、顔を洗う時にゴシゴシ。日常の動作を実況中継しながら見せることで、自然に模倣の機会が増えます。
焦らず待つ
模倣は、すぐにできるようになるものではありません。
何度見せても、何ヶ月経っても、できないこともあります。焦らず、根気強く、見せ続けることが大切です。ある日突然、できるようになることもあります。
早期療育での模倣訓練
遊びを通して模倣を育てる
療育では、遊びを通して楽しく模倣を育てます。
太鼓を叩く、ボールを転がす、ブロックを積む。楽しい遊びの中で、支援者の動作を真似る経験を積みます。遊びだから楽しい、楽しいから続けられる、続けられるから力がつきます。
小集団で友達の真似をする
小集団療育では、友達の真似をする経験ができます。
友達がパチパチしている、友達がジャンプしている。友達の動作を見て真似る。大人の真似より、友達の真似の方が、動機が生まれやすいこともあります。
段階的に難しくする
最初は簡単な模倣から始め、徐々に難しくしていきます。
手を叩くだけの単純な動作から、両手を使う動作、体全体を使う動作、複数の動作を組み合わせる、と段階的に難しくします。お子さまのペースで、確実に力をつけていきます。
デジタルツールも活用
デジタルツールを使った模倣訓練も効果的です。
画面に出てくる動作を真似る、音に合わせて体を動かす。ゲーム感覚で楽しいから、繰り返し取り組めます。視覚的に分かりやすく提示されるため、理解しやすいお子さまも多いです。
保護者も一緒に学ぶ
療育では、保護者も模倣を促す関わり方を学べます。
どのように見せればいいか、どう褒めればいいか、家庭でどう実践すればいいか。具体的に教えてもらえます。療育だけでなく、家庭でも模倣を促す関わりを続けることが重要です。
専門家に相談するタイミング
健診で指摘された時
1歳半健診で、模倣ができないと指摘された時が、相談のタイミングです。
様子を見ましょうと言われても、気になることがあれば、専門機関に相談することをお勧めします。早く相談すれば、早く適切な支援につながります。
2歳になってもできない時
2歳になっても、バイバイやパチパチなどの簡単な模倣ができない場合は、相談が必要です。
個人差はありますが、2歳で全く模倣ができないのは、何らかの支援が必要なサインです。
言葉も遅れている時
模倣ができず、言葉も遅れている場合は、早めの相談が必要です。
模倣と言葉は密接に関連しています。両方遅れている場合、全体的な発達支援が必要になることがあります。
他のサインも見られる時
模倣ができないだけでなく、他のサインも見られる場合は、専門家の意見を聞くことが大切です。
目が合いにくい、呼んでも振り向かない、人への興味が薄い。複数のサインがある場合、早めの相談が重要です。
早期療育の実際の効果
事例1:1歳半で療育開始、模倣ができるようになった
1歳半健診で、バイバイもパチパチも、全く真似をしないと指摘されました。家で何度教えても、全くできるようになりませんでした。
保護者は心配になり、療育施設に相談しました。発達検査の結果、模倣の遅れだけでなく、人への注目が弱いことも分かりました。週2回の療育を始めることになりました。
療育では、太鼓を叩く遊びから始めました。支援者が楽しそうに太鼓をドンドン叩く、お子さまも興味を示しました。手を添えて一緒に叩く経験を重ねました。
3ヶ月後、太鼓を叩く動作を自分から真似するようになりました。半年後には、パチパチと手を叩けるようになりました。1年後には、バイバイ、いないいないばあもできるようになり、簡単な言葉も真似して言えるようになりました。
保護者は、療育で楽しく模倣を教えてもらえた、家で教えるだけでは難しかったと語っていました。
事例2:1歳8ヶ月で療育開始、言葉も一緒に育った
1歳8ヶ月の時点で、模倣が全くできず、言葉も全く出ていませんでした。健診後も様子を見ていましたが、改善が見られず、療育施設に相談しました。
発達検査の結果、模倣の遅れ、言葉の遅れ、人への興味の薄さがありました。週2回の小集団療育を始めました。
小集団では、友達と一緒に手遊びをしました。最初は全く興味を示しませんでしたが、友達が楽しそうにやっている様子を見て、少しずつ興味が出てきました。
半年後、パチパチができるようになりました。そして、模倣ができるようになると同時に、言葉も出始めました。マンマ、ママなど、大人の言葉を真似して言えるようになりました。
1年後には、簡単な二語文も出て、バイバイやいないいないばあもできるようになりました。保護者は、模倣と言葉は本当につながっているんだと実感しましたと語っていました。
事例3:1歳半で療育開始、全体的な発達が促された
1歳半健診で、模倣ができない、言葉が出ない、目が合いにくいなど、複数のサインを指摘されました。
すぐに療育を始め、週2回の療育で、模倣だけでなく、コミュニケーション、社会性、すべての領域を総合的に支援しました。
療育では、お子さまが好きな車のおもちゃを使って、まず人への興味を育てました。人に注目する力が育つと、模倣もしやすくなります。遊びを通して、楽しく模倣する経験を積みました。
半年後、簡単な模倣ができるようになり、人への興味も出てきました。1年後には、バイバイ、パチパチ、いないいないばあができるようになり、簡単な言葉も出始めました。
保護者は、模倣だけでなく全体的に成長できた、早期から療育を始めて本当に良かったと語っていました。
模倣ができなくても焦らない
真似をしない、バイバイやパチパチができない。そのような我が子を見ると、不安になります。他の子は簡単にできているのに、なぜうちの子はできないのか。
でも、知っておいてください。模倣は、教えればすぐにできるものではありません。発達の準備ができていないと、何度教えてもできません。逆に、準備ができれば、ある日突然できるようになることもあります。
大切なのは、焦らず、根気強く、楽しい雰囲気で見せ続けることです。そして、家庭での関わりだけで難しい場合は、療育の力を借りることです。
1歳半という早い段階で気づけたことは、チャンスです。早く気づけたからこそ、早く支援を始められます。療育で、遊びを通して楽しく模倣を育てることで、模倣する力は確実に育ちます。そして、模倣ができるようになると、言葉も育ち、社会性も育ちます。
模倣ができないお子さまも、適切な支援を受けることで、できるようになります。そして、できるようになった時の喜びは、とても大きいものです。その可能性を信じて、今から動き始めましょう。
療育センターエコルドで、模倣する力を育てる支援を
大阪府池田市にある療育センターエコルドは、1歳のお子さまから受け入れ可能な療育施設です。
真似をしない、バイバイやパチパチができないというお子さまに対して、小集団療育と集団療育を組み合わせた専門的な支援を提供しています。遊びを通して楽しく模倣を育て、友達と一緒に活動する中で、模倣する力を段階的に伸ばします。
公認心理師による専門的な支援、田中ビネー・ヴァインランドなどの発達検査で客観的に状態を把握、児童発達支援の5領域をバランスよく育てるプログラム、リハビリ専門職が開発したデジリハで楽しく訓練、保護者への丁寧なフィードバック。早期からの総合的な支援で、お子さまの模倣する力、そして言葉やコミュニケーション能力の発達をサポートします。
真似をしない、バイバイやパチパチができなくて心配な方、模倣する力を育てたい方は、ぜひ療育センターエコルドにご相談ください。
様子を見るのではなく、今から始めましょう。1歳半という貴重な時期を、一緒に大切にしましょう。お子さまの模倣する力を、エコルドが全力でサポートします。
療育センターエコルド お問い合わせ
- 電話:072-735-7332
- Web予約:https://portal.d2i.jp/contact/
- 所在地:大阪府池田市石橋3-1-11 大空第二ビル1階
発達検査実施/見学随時受付/1歳半から受け入れ可能/遊びを通して模倣を育てる
お気軽にお問い合わせください。模倣する力は、育ちます。お子さまの成長を、一緒に支えましょう。