健診で多動傾向について指摘された時、保護者が知っておくべきこと

3歳健診で、保健師から言われました。落ち着きがないですね、じっとしていられないですね、多動の可能性もあるので、様子を見ましょう。
確かに、我が子は常に動いています。健診の待合室でも、じっと座っていられませんでした。走り回る、よじ登る、触ってはいけないものに触る。何度注意しても、数秒後にはまた動いています。
家でも同じです。食事の時も座っていられません。絵本を読んでいても、すぐに飽きて違うことを始めます。公園では、危ないことばかりします。目が離せません。疲れ果てています。
多動。ADHDという言葉も頭をよぎります。このままで大丈夫なのでしょうか。幼稚園で集団行動ができるのでしょうか。小学校で授業中、座っていられるのでしょうか。不安で仕方ありません。
落ち着きがない、じっとしていられない。これは、発達に関わる大切なサインです。しかし、3歳という時期は、まだ多動かどうかの判断が難しい時期でもあります。適切な関わり方と環境調整で、落ち着きは育ちます。
3歳で期待される落ち着き
まだ落ち着きは十分でない時期
3歳は、まだ落ち着きが十分に育っていない時期です。
大人のように、長時間じっと座っていることは、3歳児にはできません。動き回りたい、色々なものに触りたい、それが3歳児の自然な姿です。ある程度の落ち着きのなさは、正常な発達の範囲内です。
短時間なら座っていられる
3歳頃には、短時間なら座っていられるようになります。
食事の時、5〜10分程度は座っていられる。絵本の読み聞かせの時、好きな本なら最後まで聞いていられる。短時間の活動なら、集中して取り組めるようになります。
危ないことは止められる
3歳頃には、危ないと言われたら、一旦は止まれるようになります。
完全に言うことを聞くわけではありませんが、ダメと言われたら、少なくとも一度は手を止める。全く止まれない、注意しても全く効果がない、という状態は、気になるサインです。
簡単な指示に従える
3歳頃には、簡単な指示に従えるようになります。
座って、待って、静かに。このような簡単な指示が理解でき、短時間なら従えます。全く指示に従えない、聞いていない様子という場合は、注意が必要です。
多動とは
ADHD(注意欠如・多動症)
多動は、ADHD(注意欠如・多動症)の主な特性の一つです。
ADHDには、不注意、多動性、衝動性という3つの特性があります。多動性とは、じっとしていられない、常に動き回る、落ち着きがない状態のことです。
年齢に比べて著しく多動
重要なのは、年齢に比べて著しく多動であることです。
3歳児はみんな活発です。でも、同じ年齢の子と比べて明らかに落ち着きがない、集団の中で一人だけ動き回っている、そのような場合は、多動の可能性があります。
場面を問わず見られる
一時的なものではなく、場面を問わず常に見られることも特徴です。
家でも、園でも、公園でも、どこでも落ち着きがない。朝から晩まで、常に動いている。場面や状況に関わらず、多動が見られる場合は、ADHDの可能性が高くなります。
3歳では診断されにくい
ただし、3歳の時点でADHDと診断されることは、ほとんどありません。
3歳は、まだ発達の途中です。多動に見えても、成長とともに落ち着く子もたくさんいます。診断は、通常5〜6歳以降に行われます。3歳では、多動の傾向があるという表現にとどまります。
じっとしていられない理由
発達の個人差
落ち着きの育ち方には、個人差があります。
早くから落ち着いている子もいれば、なかなか落ち着かない子もいます。気質的に活発な子、エネルギーが溢れている子。個性の範囲内であることもあります。
ADHD(注意欠如・多動症)の可能性
年齢に比べて著しく落ち着きがない場合、ADHDの可能性があります。
脳の発達の違いによって、注意をコントロールする力、衝動を抑える力が弱い状態です。本人が悪いわけでも、しつけの問題でもありません。脳の特性です。
自閉スペクトラム症の多動
自閉症のお子さまにも、多動が見られることがあります。
興味のあるものに一直線、危険も考えずに走っていく。感覚を求めて、常に動き回る。自閉症の特性としての多動もあります。
不安や緊張
不安や緊張が強いと、落ち着きがなくなることがあります。
新しい環境、慣れない場所で、落ち着かない。それは、不安の表れかもしれません。環境に慣れれば、落ち着くこともあります。
睡眠不足
十分な睡眠が取れていないと、落ち着きがなくなります。
夜遅くまで起きている、睡眠時間が短い。睡眠不足が、多動の原因になることもあります。生活リズムを整えることで、改善することもあります。
刺激の多い環境
テレビやゲーム、スマホなど、刺激の多い環境で過ごしていると、落ち着きがなくなることがあります。
常に強い刺激を受けていると、脳が興奮状態になります。刺激を減らす、静かな時間を作ることで、落ち着くこともあります。
家庭でできる関わり方
生活リズムを整える
落ち着きを育てるには、まず生活リズムを整えることが基本です。
早寝早起き、決まった時間に食事、十分な睡眠。規則正しい生活が、落ち着きの基礎を作ります。
体を動かす時間を作る
エネルギーが溢れているお子さまには、十分に体を動かす時間が必要です。
公園で思い切り走る、体を使った遊びをする。体を動かすことで、エネルギーを発散でき、その後は落ち着きやすくなります。
刺激を減らす
テレビやスマホの時間を減らし、静かな環境を作ります。
特に寝る前は、刺激を避けます。絵本を読む、静かな音楽を聴く。刺激の少ない環境が、落ち着きを育てます。
短い活動から始める
長時間座っていることを求めるのではなく、短い活動から始めます。
5分座って食事をする、3分絵本を聞く。できたら褒める。少しずつ、座っていられる時間を延ばしていきます。
視覚的な支援を使う
次に何をするか、視覚的に示すと分かりやすくなります。
タイマーを使う、絵カードで予定を示す。見通しが持てると、落ち着きやすくなります。
肯定的な声かけ
走らないで、と言うより、歩こうね、と肯定的に伝えます。
静かにして、ではなく、小さな声で話そうね。できないことを注意するより、できることを伝える方が効果的です。
できたことを褒める
少しでも座っていられたら、たくさん褒めます。
ちゃんと座れたね、すごい!と笑顔で褒める。褒められることで、座っていることが良いことだと学びます。
叱りすぎない
多動は、本人の努力不足ではありません。
何度注意しても同じことをする、それは本人も困っているのです。叱りすぎると、自己肯定感が下がります。困った行動を叱るより、良い行動を褒めることに重点を置きます。
専門家に相談するタイミング
3歳健診で指摘された時
3歳健診で、多動の可能性を指摘された時が、相談のタイミングです。
様子を見ましょうと言われても、気になることがあれば、専門機関に相談することをお勧めします。早く相談すれば、早く適切な支援につながります。
4歳になっても改善しない時
4歳になっても、全く落ち着きが見られない場合は、相談が必要です。
3歳ではまだ判断が難しくても、4歳、5歳になると、ADHDかどうかの判断がしやすくなります。
集団生活で困難がある時
幼稚園や保育園で、集団行動ができない、座っていられない、先生の指示に従えない。
集団生活で困難がある場合は、早めの相談が重要です。園と連携しながら、支援を受けることができます。
危険な行動が多い時
衝動的に走り出す、高いところから飛び降りる、道路に飛び出す。
危険な行動が多く、本人の安全が心配な場合は、すぐに相談が必要です。
保護者が疲れ果てている時
常に目が離せない、叱ってばかりいる、疲れ果てている。
保護者自身が限界を感じている場合も、相談のタイミングです。専門家や同じ悩みを持つ保護者と繋がることで、楽になることがあります。
療育での多動への支援
構造化された環境
療育では、落ち着きやすい構造化された環境を提供します。
次に何をするか分かりやすい、物の配置がシンプル、刺激が少ない。そのような環境で、落ち着いて活動に取り組めます。
短い活動の積み重ね
長時間座らせるのではなく、短い活動を積み重ねます。
5分の活動、3分の休憩、また5分の活動。短いサイクルで進めることで、集中が続きます。できたら褒める、成功体験を積むことが大切です。
体を動かす活動
療育では、体を動かす活動も取り入れます。
サーキット遊び、リズム遊び、感覚統合の活動。体を十分に動かすことで、エネルギーを発散し、その後は落ち着きやすくなります。
小集団での練習
小集団療育では、座って待つ、順番を守るなど、集団行動の練習ができます。
2〜4人程度の少人数だから、一人ひとりに目が届きます。失敗しても、丁寧にフォローできます。少人数で練習することで、大きな集団でもできるようになります。
保護者への助言
療育では、保護者にも具体的な助言ができます。
家庭での関わり方、環境の整え方、褒め方、叱り方。専門家からアドバイスを受けることで、家庭でも効果的に対応できます。
早期療育の実際の効果
事例1:3歳で療育開始、落ち着きが大きく改善
3歳健診で、じっとしていられない、常に走り回る、多動の可能性があると指摘されました。幼稚園でも、集団行動ができず、先生を困らせていました。
保護者は心配になり、療育施設に相談しました。発達検査の結果、多動傾向があることが分かり、週2回の療育を始めることになりました。
療育では、構造化された環境で、短い活動を積み重ねました。5分座って活動する、できたら褒める。少しずつ、座っていられる時間を延ばしました。
体を動かす活動も取り入れました。サーキット遊びで思い切り体を動かした後は、落ち着いて座れる時間が長くなりました。
半年後、幼稚園でも以前より座っていられるようになりました。1年後には、集団行動にも参加できるようになりました。完全に落ち着いたわけではありませんが、大きく改善しました。
保護者は、療育で構造化された環境を学べた、家でも実践することで改善した、と語っていました。
事例2:3歳2ヶ月で療育開始、小集団で集団行動を学んだ
3歳2ヶ月の時点で、落ち着きがなく、集団の中で一人だけ動き回る状態でした。先生の指示も聞かず、危険な行動も多く見られました。
療育施設に相談し、週1回の小集団療育を始めました。2〜3人の小集団で、座って待つ、順番を守るなど、集団行動の基礎を練習しました。
最初は、小集団でも座っていられませんでした。でも、支援者が丁寧に声をかけ、できたら褒めることを繰り返すうちに、少しずつ座れるようになりました。
半年後、小集団では落ち着いて活動できるようになりました。1年後には、幼稚園の大きな集団でも、以前より座っていられるようになりました。
保護者は、小集団で段階的に練習できたことが良かった、少人数だから丁寧に見てもらえたと語っていました。
事例3:3歳で療育開始、ADHDの診断を受けたが成長している
3歳健診で、多動の可能性を指摘され、療育を始めました。4歳で医療機関を受診したところ、ADHDの診断を受けました。
診断を受けた後も、療育は継続しました。週3回の療育で、落ち着きを育てる支援を受けました。構造化された環境、視覚支援、短い活動の積み重ね。
年齢が上がるにつれて、少しずつ落ち着きが出てきました。5歳になる頃には、幼稚園でも30分程度は座っていられるようになりました。
完全に多動がなくなったわけではありませんが、就学に向けて、確実に成長しています。保護者は、診断を受けてもあきらめず支援を続けて良かった、確実に成長していると語っていました。
多動でも成長する
じっとしていられない、落ち着きがない。そのような我が子を見ると、この先どうなるのかと不安になります。でも、知っておいてください。多動があっても、お子さまは成長します。
3歳で落ち着きがなくても、4歳、5歳、6歳と成長する中で、落ち着きは育っていきます。完全に多動がなくなるわけではないかもしれませんが、座っていられる時間は確実に長くなります。集団行動もできるようになります。
大切なのは、叱りすぎないことです。多動は、本人の意志でコントロールできるものではありません。叱られ続けると、自己肯定感が下がり、二次的な問題が生じます。
環境を整える、短い活動から始める、できたことを褒める。このような関わり方で、落ち着きは育ちます。そして、必要なら療育の力を借りる。専門的な支援を受けることで、確実に成長します。
3歳で多動の可能性を指摘されたことは、早く気づけたチャンスです。早く支援を始めることで、就学前に落ち着きを育てることができます。
療育センターエコルドで、落ち着きを育てる支援を
大阪府池田市にある療育センターエコルドは、3歳のお子さまにも対応している療育施設です。
じっとしていられない、落ち着きがないというお子さまに対して、小集団療育と集団療育を組み合わせた専門的な支援を提供しています。構造化された環境で、短い活動を積み重ね、体を動かす活動も取り入れながら、落ち着きを段階的に育てます。
公認心理師による専門的な支援、田中ビネー・ヴァインランドなどの発達検査で客観的に状態を把握、児童発達支援の5領域をバランスよく育てるプログラム、リハビリ専門職が開発したデジリハで楽しく訓練、保護者への丁寧なフィードバック。就園前、就学前の落ち着きを育てる支援で、お子さまの成長をサポートします。
じっとしていられない、落ち着きがなくて心配な方、多動の可能性を指摘された方は、ぜひ療育センターエコルドにご相談ください。
叱りすぎず、環境を整え、できたことを褒める。お子さまの落ち着きを、エコルドが全力でサポートします。
療育センターエコルド お問い合わせ
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