跳び箱が苦手な理由と支援方法

運動会や体育の時間に登場する跳び箱。子どもたちにとっては楽しいチャレンジの場でもありますが、「跳び箱が苦手」と感じるお子さんも少なくありません。
「何度も挑戦しているけど跳べない…」「怖がってしまう」という場合、どうサポートしてあげればよいのでしょうか?
今回は、跳び箱が苦手な理由と、それを克服するための支援方法を具体的にお伝えします。
【なぜ跳び箱が苦手なの?】
跳び箱が苦手な理由には、体の動きや心の状態に関わるいくつかの要因があります。
①身体的な課題
- 筋力不足・・・跳び箱を跳ぶには、腕で体を支える力や、足で地面を蹴る力が必要です。特に体幹や脚の筋力が弱いと、十分なジャンプが難しくなります。
- 協調運動の難しさ・・・手と足を同時に動かす「運動の協調性」が未発達だと、踏切や着地のタイミングを合わせることが難しく感じられます。
②感覚処理の課題
- 高さやスピードへの不安・・・跳び箱の高さや、勢いをつけて跳ぶスピード感に怖さを感じる子どももいます。感覚過敏の傾向がある場合、この不安はさらに強くなることがあります。
④心理的な課題
- 失敗経験による自己否定感・・・跳び箱に挑戦して失敗が続くと、「どうせできない」という自己否定感が芽生え、さらに苦手意識を強めることがあります。特に集団の中で注目されると、恥ずかしさやプレッシャーを感じやすくなることもあります。
【跳び箱を克服するための支援方法】
跳び箱の苦手意識を克服するには、段階的な練習や環境の工夫が欠かせません。
①筋力とバランスを鍛える
- 基礎体力づくり・・・跳び箱の練習の前に、足の筋力や体幹を鍛える運動を取り入れましょう。例えば、ケンケンパやスキップ、片足立ちの練習は、踏切や着地の安定性を高めるのに効果的です。
- 腕の力を鍛える遊び・・・跳び箱を押す動作のために、腕の筋力も重要です。鉄棒でぶら下がる練習や、壁を押して体を支える遊びが効果的です。
②スモールステップでの練習
- 低い台を使う・・・最初から高さのある跳び箱に挑戦するのではなく、マットや低い台を使って、跳ぶ感覚を身につけさせましょう。
- 段階的に高さを上げる・・・慣れてきたら、跳び箱の高さを少しずつ上げていきます。高さが変わるたびに、しっかりと成功体験を積み重ねることが重要です。
③動きを分解して練習
- 踏切の練習・・・踏切のタイミングが合わない場合は、マットの上で助走から踏切までを繰り返し練習します。地面に印をつけると、踏切位置を意識しやすくなります。
- 手をつく練習・・・跳び箱を飛び越えず、手をつくだけの練習を取り入れることで、腕で体を支える感覚をつかめるようになります。
④不安を取り除く工夫
- 安全な環境を整える・・・マットを跳び箱の周囲に敷き、失敗しても痛くないように配慮しましょう。これにより、心理的な不安を軽減できます。
- 声かけと見守り・・・「一緒にやってみよう!」と声をかけたり、そばで手を添えたりすることで、安心して挑戦できます。
【跳び箱が楽しくなる工夫】
練習にゲーム要素を取り入れることで、跳び箱への苦手意識を楽しさに変えることができます。
- タイムチャレンジ・・・跳び箱を使ったコースを作り、タイムを計ってみましょう。「もう一回挑戦してみよう!」という前向きな気持ちを引き出せます。
- お宝探しゲーム・・・跳び箱の上や向こう側に「お宝」を置いて、それを取りに行くゲームをすることで、跳ぶ動作に対するモチベーションを高められます。
【周囲のサポートが成功のカギ】
跳び箱の練習では、保護者や指導者が子どものペースに寄り添うことが大切です。無理に練習を押し付けるのではなく、「少しずつできるようになればいいよ」という気持ちで見守ることで、子どもたちは安心して取り組めます。
【おわりに】
跳び箱が苦手な理由は、筋力や動きの問題だけでなく、心理的な不安や失敗経験が影響していることもあります。お子さんが「できる!」という達成感を積み重ねていくことで、苦手意識を克服するだけでなく、運動に対する自信も育まれていきます。
無理せず楽しく挑戦できる環境を整え、一緒に成長を見守っていきましょう!
【保護者の方へ】
大阪府池田市にある「療育センターエコルド」では、跳び箱や運動が苦手な子どもを対象に、一人ひとりの特性に合わせた支援を行っています。
体を動かす楽しさを感じられるよう、専門スタッフが安全な環境でサポートします。池田市やその周辺にお住まいの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください!