“なぜか姿勢が崩れる”子の秘密——体幹・バランスの発達と遊びの関係

こんにちは。
子どもを育てていると、ふとした瞬間にこんな姿を見かけることはありませんか?
- すぐに床に寝転んでしまう
- 食事中に姿勢が崩れて、椅子からずり落ちそうになる
- 姿勢を保つのが苦手で、イスに正しく座っていられない
- 遊びや勉強に集中していられない、じっとしていられない
「なんでそんな格好になるの?」
「ちゃんと座って!」
「姿勢が悪いから集中できないのでは?」
と、つい注意したくなりますが、
実はこれ、“やる気の問題”や“落ち着きのなさ”だけではなく、身体の土台である「体幹」や「バランス感覚」の発達」に関係している場合があります。
今回は、“姿勢が崩れる子”の体の中で何が起きているのか、そして親としてどんなサポートができるのかを、専門的にかみ砕いてご紹介します。
第1章 そもそも「体幹」とは?
体幹とは、簡単に言えば「頭・手・足を支えている体の中心(胴体)」のことです。
椅子に座る、走る、ジャンプする、字を書く……など、すべての動きの土台になります。
この体幹が未発達だと、以下のような困難が見られやすくなります。
✅ 体幹が弱いことで見られやすい特徴
- 椅子に座っていられない(すぐに崩れる、姿勢が歪む)
- 筆圧が弱い、書くのに疲れてしまう
- 運動遊びで転びやすい、バランスを崩しやすい
- 落ち着かない、集中が続かない
- いつもなんとなく“だら〜ん”とした姿勢になる
第2章 なぜ体幹が弱くなるの?
現代の子どもたちは、“じっくり体を使って遊ぶ経験”が減ってきており、それが体幹発達の遅れにつながることがあります。
✅ 体幹発達に影響する現代の環境要因
- 公園遊びや外遊びの減少
- 床より椅子・ソファにいる時間が多い
- 長時間のタブレット・スマホ使用
- 不安定な姿勢を経験する機会が少ない(木登り、石渡り、坂道など)
特に2〜5歳頃は「粗大運動(全身を使った運動)」のゴールデンタイム。
この時期に“転びながら覚える・登りながらバランスをとる”といった経験が、体幹やバランス感覚の発達に大きく影響します。
第3章 体幹とバランス感覚を育てる日常の遊びとは?
✅(1)ゆれる・転がる・ぶら下がる
体幹を刺激するには、「不安定な動き」にたくさん触れることがカギです。
- ブランコ、うんてい
- 坂道を転がる
- ソファやマットでゴロゴロ
- 親の足にぶら下がる
- 膝の上で“馬”になってバウンド遊び
✅(2)姿勢を変える・支える
バランスを取る感覚は、実際に“崩れそうになりながら支える”ことで育ちます。
- 片足立ち、ケンケン
- クッションの上でジャンプ
- トンネルくぐり
- バランスボールに座って本を読む、遊ぶ
✅(3)全身を使って遊ぶ!
動物のまねっこ(クマ歩き、ワニ歩き)、坂道や不整地を歩く、芝生で走るなど、全身を使った動きが特におすすめです。
第4章 家庭でできるちょっとした工夫
✅ 姿勢が崩れやすい子には…
- 椅子の高さ・足の位置を調整する(足がブラブラしないように足台を)
- 長時間座らせず、10〜15分に1回は体を動かす時間を作る
- 机・イスの高さが合っているか確認する
- 座るより、“立ってお絵描き”や“寝転んで読書”もアリ
✅ 座ることを強制しすぎない
「ちゃんと座って!」と注意しても、体幹が育っていなければ“座っていること自体が苦痛”になってしまいます。
→ 無理に正しい姿勢を強制せず、まずは“座りやすい身体づくり”を意識していきましょう。
第5章 気になる場合は専門家への相談も視野に
以下のような状態が強く見られる場合には、児童発達支援事業所などに相談してみることをおすすめします。
- 座位保持が極端に難しい
- 立った姿勢でもすぐにバランスを崩す
- 集中力が極端に短く、すぐに体を崩す
- 姿勢保持やバランス感覚が他の同年代より著しく弱い
児童発達支援や小児リハビリでは、遊びの中で体幹を育てる支援プログラムが行われています。
最後に:「姿勢の乱れ」は、子どものせいではなく“体のサイン”
「また寝っ転がってる」
「どうしてきちんと座れないの」
「ちゃんとしなさい」——
そんな言葉をかけてしまいそうになるとき、
「もしかすると、この子の体が“まだ育っていないだけ”かもしれない」と思い出してみてください。
体幹やバランス感覚の未発達は、意欲や性格の問題ではなく“身体的な発達段階”であることが多いのです。
子どもたちは、遊びの中で自然に育っていきます。
そして、大人の理解とサポートがあれば、もっと安心して“からだを支える力”を育てていけるのです。
今日も、無理に座らせるより、一緒に“動いて育てる”時間を楽しんでみませんか?