“気になると止まらない”——同じことを繰り返す子の見えない『安心のカタチ』

第1章 “またそれやってる…”と感じたら
おうちで、お人形の靴を何度も並べる、同じフレーズを延々と言い続ける、好きなおもちゃをずっと動かし続ける…そんな“気になる”行動に出会うと、「飽きないのかな?」「どう対応すれば?」と気になってしまいますよね。でも、大人の「飽きや変化を好む感覚」とは違って、子どもの繰り返しには「安心」や「基盤」が関わっていることが多いのです。
第2章 「繰り返し」にこそ育ちの理由がある
- 繰り返しは子どもにとって“安心の構造”
(1)日常の中の繰り返しは、混沌から秩序を学ぶ手がかりに
(1)繰り返すほど脳が情報を定着させる仕組み
→ 小さな安心が自信と学びを育む - 繰り返し行動は発達でも普通に見られるステージ
(1)自閉スペクトラム症だけでなく、発達中の子には一般的な現象
(2)繰り返しには感覚調整・安心感がある場合も - 繰り返しは「安心のサイン」であり「自己調整の力」のあらわれ
(1)手を振り続ける、小さな動作を繰り返す…安心に導く行為として機能
(2)感情が振れ動くときや新しい場面への橋渡しとして使われる
第3章 「同じ」を見守る視点と関わり方
- 「ただ静かに待つ」ことの価値
(1)「やめなさい」とすぐ止めず、その行動の意味を読み取る時間を
(2)「安心にくる」と信じる視点が関係性を育む - 安心を添える声かけの工夫
(1)「その遊び好きだね。じっくり楽しんでいいよ」など、認める姿勢を先に伝える
(2)否定先行ではなく、「見てるよ」が伝わる声かけを - クッション(言い換え)の設計
(1)同じ行動でも、少しずつ変化の余地を入れる工夫
→ 「たまには〇〇しながらやってみようか」と段階づけることで、安心感と次への一歩をつくる
第4章 繰り返しに関わるときの見極めポイント
- どこに安心のサインがあるかを探す
(1)繰り返しの動作・言葉に心地よさや満足を得ている兆しがあるかを見る
(2)逆に焦りや混乱の代替手段として使われていないかの見極めも重要 - 心配すべきサインとは?
(1)繰り返しが強すぎて他の活動を著しく妨げる
(1)押し込まれてしまうほどの不安やパニックを伴う場合
(2)発達関係の広い困りごとがある場合
第5章 安心を育てる日常の設計
- ルーティンと繰り返しのバランスをつくる
(1)毎日同じ流れの中に、小さな変化を入れて安心を育てる
→ たとえば、同じお話の前後に“小さな選択”の時間を設ける - 感覚的な安心を補うサポート
(1)ぬいぐるみ、音の小さな鳴るおもちゃ、指人形など刺激と安心のつながりをつくる - 身体を使ったリズム遊びの導入
(1)手をたたく、リズムをつくる、ある動作を繰り返す遊びを取り入れることで、安心の身体的感覚を育てる 奨励
最後に:繰り返しの行動は、“見えない安心の形”です
「またそれを?」「同じことばかり…」と思ったとき、ただ止めるのではなく、「安心できているかな?」と立ち止まってみましょう。
繰り返しの行動は、
- 安心感の象徴
- 自己調整の道具
- 安全な場所のしるし
でも、親にとっては「気になる」こと。それは自然な反応です。大人が焦らず見守る姿勢と、「そのままを大切にする安心」が、子どもの内側に小さな平和と自己理解を育んでいきます。
今日も、その“安心の形”に気づき、そっと手を差し出す一歩を、大切にしていきましょう。